熊本県議会 > 2019-09-10 >
09月10日-03号

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  1. 熊本県議会 2019-09-10
    09月10日-03号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
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    令和元年 9月 定例会               第 3 号               (9月10日)  令和元年   熊本県議会9月定例会会議録     第3号令和元年9月10日(火曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第3号  令和元年9月10日(火曜日)午前10時開議 第1 代表質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 代表質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 さん            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            濱 田 大 造 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 山 川 清 徳 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 田 中 義 人 君     商工観光労働            磯 田   淳 君     部長     農林水産部長 福 島 誠 治 君     土木部長   宮 部 静 夫 君     国際スポーツ            寺 野 愼 吾 君     大会推進部長     会計管理者  瀬 戸 浩 一 君     企業局長   岡 田   浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  小 山   巌 君     人事委員会            本 田 充 郎 君     事務局長     監査委員   濱 田 義 之 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 井 淳 一     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     議事課長補佐 下 﨑 浩 一    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(井手順雄君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 代表質問 ○議長(井手順雄君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き代表質問を行います。 公明党城下広作君。  〔城下広作君登壇〕(拍手) ◆(城下広作君) 改めまして、皆さん、おはようございます。公明党の城下広作でございます。党を代表して質問をさせていただきます。 昨日から代表質問が始まりまして、前川議員が100分、鎌田議員が100分、もうほとんど知事に聞くことがなくなる状態でございまして、私の場合、ティーバッグを最後に絞るような形の分で、質問を洗い出して見つけました。それでも重複するのがありまして、今回は、9問、これでも重複を避けて、1問は、せっかく原稿を書いたのも破棄しました。もう絞り込んだような形でございます。9問のうち5問は、知事に、あと4問は、各部長でございますけれども、部長の皆様は、皿を割る決意で、きょうは答弁をしていただきたいというふうに思います。 それでは、早速質問に入らせていただきます。 知事の3期目の総括と今後の取り組みについてということでございます。 昨日の自由民主党・前川議員の代表質問で、知事は、来春に行われる知事選に、4期目の出馬を決意されました。恐らく、知事がこの結論を出すまでには、私たちにははかり知れない、相当悩み抜かれた末の判断だと御推察いたします。 私は、昨日の知事の決意をお聞きしたとき、知事が初当選されてから今日に至るまでの足跡を自分なりに回想してみました。 まず、知事が、議会で初めて登壇された平成20年6月定例会で、みずからの使命を「大きな可能性を秘めている熊本を目覚めさせ、躍動し、飛躍する県に変えていくこと、そして熊本県民の幸福を最大化すること」と述べられました。 そして、知事は、厳しい財政状況、長年の懸案であった川辺川ダム、水俣病の問題などある中で、みずからの給与のカット、川辺川ダムの白紙撤回、水俣病被害者救済特別措置法の制定に向けた国への働きかけに尽力され、解決に向けた道筋をつけてこられました。 また、2期目に入ってからは「熊本の100年後を見据えた取り組みもしっかりと進めることが重要である」と訴えられ、知事の思いや夢を全職員共有するために、職員には、常に前向きに、かつ果敢に挑戦することを呼びかけられ、皿を割ることを恐れるなと激励されてきました。中には、皿を割り過ぎた職員もいたかもしれませんが、大方の職員は、知事の思いを酌み取り、日々の業務に邁進されていると確信します。 そして、3期目は、県民の幸福量の最大化の総仕上げに向け、みずからを鼓舞し、出発をされようとしていたやさき、誰もが想像し得なかった、知事就任の2日前に熊本地震の前震が、そして就任の日には本震に見舞われ、その後は、皆様も御承知のとおり、震災復興のため、今日まで休むことなく、復興の陣頭指揮を知事はとってこられました。 そこで、知事にお尋ねします。 知事のおよそ3期12年間のうちで、前半の2期8年間は、震災の対応はありませんでした。では、この期間で、知事が目指してきた県民の幸福量の最大化の達成について、知事はどのような認識をお持ちか、お尋ねします。 次に、知事就任3期目に当たり、熊本地震から約3年半たち、ある程度落ちつきを見せつつある今日、知事が、震災直後は気づかなかったが、今になると、当時はこう対応しておけばよかったと教訓になるようなことがあれば、お示しください。 また、本来、何事もなければ、3期目のビジョンは、今ごろ終わりを見ることができたと思いますが、熊本地震によって、予定が大きく変わりました。言いかえれば、本来やろうとしたことが約4年間おくれてしまったのではと、私は捉えています。 そこで、知事が4期目を目指すに当たって、震災復興に当たられるのは当然でありますが、それ以外に、知事が、これだけはなし遂げたいと、かたく決意しているものがあれば、改めて、県民に対してわかりやすい言葉でお示しいただきたいと思います。 以上、蒲島知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、2期8年間の成果についてお答えいたします。 私は、知事就任後直ちに、財政再建、川辺川ダム問題、水俣病問題という県政が抱える3つの困難に取り組み、解決に向けて道筋をつけることができたと思います。 さらに、蒲島県政の基本理念である県民総幸福量の最大化に向け、全力で挑戦してまいりました。 例えば、稼げる農業の実現に向けて、品質や生産量の向上と同時に、農地集積などによるコスト削減への取り組みを進め、平成22年度から7年連続で、農業産出額が増加することができました。 また、1期目の長寿を恐れない社会の実現、2期目は、それをさらに進めて、長寿を楽しむ社会の実現を目指しました。その実現を目指す中で、平成21年度から10年連続、認知症サポーター養成率日本一を達成するとともに、全国をリードする熊本型の認知症医療体制を構築いたしました。 さらに、貧困の連鎖を教育で断つという方針のもと、ひとり親世帯生活保護世帯の方々のために、大学進学のための奨学・生活資金の支援を行った結果、多くの若者が大学などに進学し、みずからの夢の実現に向かってチャレンジしております。 そして、何よりも、県民総幸福量の最大化に一番貢献しているのはくまモンです。くまモンは、関連商品の売り上げで経済的豊かさを、全国的に認知度が高まることで誇りを、県民との触れ合いを通して安全、安心を、そして、その共有空間を全世界に広げることで県民に夢を与え続けています。 このように、私は、県民幸福量の最大化に向けて、県政を着実に進めることができたと考えています。 次に、震災での教訓についてお答えします。 熊本地震を経験する中で一番の反省点は、熊本には大きな地震は来ないという思い込みにより、十分な心構えや準備ができていなかったことであります。 熊本地震の発災当初、政府の強力なプッシュ型支援がありながら、ノウハウ不足などから、支援物資を被災者の手元にすぐ届けることができない、いわゆるラストワンマイル問題が生じました。 また、高齢者や障害者など、災害時には特に配慮が必要な避難者に対して、関係者間での連携不足や福祉施設の被災、介護職員の不足により、実情把握やきめ細やかな対応が十分にできないなどの問題が発生しました。 これらの経験を通して、災害はいつどこでも起こり得ること、そのため、他人事としてではなく、みずからの問題として、常に災害に備えておくことの大切さを改めて痛感させられました。 この地震対応の中で私たちが経験した、何が起き、何ができたのか、そして、何ができなかったのかなどについて、本県の責務として、全国に発信してまいります。 最後に、4期目の取り組みについてお答えします。 蒲島県政3期目の挑戦は、それまでの県政のよき流れをさらに大きな流れにすること、さらには、深刻化する人口減少に歯どめをかけ、地方創生を実現することでありました。 そのような中で、熊本地震が発生しました。そして、今、一日も早い復旧、復興に向け、全力で取り組んでいます。 被災された方々を初めとする県民の皆様の頑張りにより、復旧、復興は着実に進んでいます。ただ、一方で、残された課題もあります。 第1に、被災された方々の住まいの再建を一日も早く、そして最後のお一人まで実現することであります。2番目に、将来に向けた持続可能な産業の再生を図ること、3番目に、空港アクセス鉄道国際クルーズ拠点の整備を行うこと、4番目に、益城の復興まちづくりといった創造的復興の取り組みを実現し、熊本の発展につなげること、そして、この創造的復興を通して、人口減少に歯どめをかけ、地方創生を実現することであります。 これからの4年間は、残された課題に立ち向かうとともに、次の50年、100年後を見据えた取り組みを行っていくことが必要だと思っています。 例えば、県外から人や金を呼び込み、熊本の自律的な発展を可能にする幹線道路などのネットワーク、また、インフラの整備であります。また、現在の本県の経済発展をもたらしたテクノポリス構想に匹敵するような新たな構想に基づく産業の興しであります。そして、熊本の発展を支え、グローバル社会に対応できる優秀な人材の確保と育成であります。 このような課題認識のもと、4期目に果敢に挑戦してまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 大変長い知事の答弁でございました。逆にありがとうございます。 私が、12年前に、最大に印象に残っているのは、知事が誕生して、この席に座られて、そして、最初の質問者がおられたときに、知事みずから拍手をされて、質問者に対して、一回一回拍手をされた、その印象が非常に残っております。最近は、大分拍手はなくなりましたけれども、最初のころは、よく拍手をされてて、ありがたいなという感じで見ておりました。非常に、やっぱり優しい方だなという感じがいたしました。 それと、夢という言葉を、この政治の土台に、ある意味では議会に示されて、私たちが、やっぱり夢を忘れたらいい政治ができないなと、それを知事はみずから実践されてきたのかなという感じがします。 そして、先ほど答弁にありました長寿を恐れない社会、まさに知事は、当時のお母さんのことを、ある意味では重ねながら、やはり長寿というのは、決して怖いものではなくて、ある意味では、安心して長寿を全うして、幸せだったというような県政をつくりたいという思いで言われていたということを、私はしみじみ覚えております。まさにそういう社会は、そういう県は、非常にすばらしい県だと思います。しっかりまた今後も、そのような形で頑張っていただければというふうに思います。 次に、2番目の質問でございます。 消費税率引き上げに伴う対応についてでございます。 御承知のとおり、10月1日から、消費税率が8%から10%に引き上げられます。 今回の引き上げについて、さきの参議院選挙期間中に、消費税廃止を含めた論議や制度に関する問題など、異論を唱える話題は尽きませんでした。 そもそも、今回の消費税率引き上げについては、今から7年前の2012年8月、当時、民主党政権、野田総理のもとで、社会保障と税の一体改革を唱えられ、使い道として、全額社会保障に充てるということで、民主、自民、公明の3党が合意したものです。 さらに、当時は、消費税率5%、これを2014年4月に8%、2015年の10月に10%に上げる予定でしたが、政権交代や景気悪化などにより、実施期間が大幅にずれ込み、来月、10月にようやく実施されることとなりました。これだけ時間がたちますと、当時賛成だった方も、政権をおりたり、政党が変われば、一変して反対を唱える方がおられるようですが、政治家として、当時は大変重たい決断をされたと思いますが、今になって、何もなかったかのように豹変し、反対されますと、私を初め多くの国民の皆さんも、何を信用してよいのかわからなくなるのではないでしょうか。 そこで、消費税の使い道を確認してみますと、教育費負担の軽減や子育て支援、介護人材の確保など、当初の予定どおり、社会保障に充てられるのは間違いないようです。 具体的に見てみますと、10月から、3歳から5歳児は全世帯、0歳から2歳児は住民税非課税世帯で、認可保育所、幼稚園、認定こども園の利用料が無償化され、来年4月からは、年収590万未満の世帯を対象に、私立高校の授業料が実質無償化されます。また、授業料以外の教育費負担にも使える高校生等奨学金の拡充を目指すとしています。さらに、大学なども、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯を対象に無償化が予定されています。 一方、高齢者対策では、所得の低い高齢者らの負担を和らげるため、介護保険料が軽減され、低年金の高齢者に対しては、保険料を納めた期間に応じて、月額最大5,000円、年間6万円が年金支給額に上乗せされます。 そして、我が党が主張した軽減税率の導入ですが、消費税率10%への引き上げは、所得の低い人ほど負担感が重くなる逆進性があることから、日々の生活に欠かせない食料品について、酒類と外食を除くなどして、8%に据え置くことになっています。 まだまだこのほかにも、さまざまな対応がなされますが、全体を見渡しますと、消費税率引き上げの名目であった、全世代型の社会保障と税の一体改革に沿っていると、私は評価します。 そこで、お尋ねしますが、まず第1点目に、今回の消費税率引き上げについて、蒲島知事はどのような所見をお持ちか、お伺いします。 次に、第2点目の質問ですが、パネルを見ていただきたいと思います。 (資料を示す)報道等の影響もあるのでしょうが、どうしても今回の消費税率引き上げについては、負担増だけが国民に伝わり、消費税率引き上げにより、人によっては大変充実した施策がなされることが伝わっていないような気がしてなりません。さきに述べました高齢者対策など、今回の消費税率引き上げに際して実施されるものの中には、当事者からの申請によって事業の対象となるものも多く、県民への周知と理解が大変重要になります。 同様に、周知と理解が求められるものが、今回特に注目を集めている軽減税率の導入についてであり、小売店等のレジ対応がおくれているのではないかと心配されています。物によっては、消費税率が8%か10%と異なることから、政府も、その対応がスムーズにできるよう、軽減税率対応レジシステムの導入に力を入れており、導入に当たっては、レジ導入に原則、費用の4分の3、1台当たり20万円まで補助金も用意されています。 このことは、テレビやラジオ、新聞等でも大きく取り上げていただきました。また、政府の対応も、説明会等を細かく実施されてきました。先ほどのチラシがありましたように、あれは、1年前に、レジの補助金体制があったんですけれども、これが、ずっと今、物がないとかいろいろ言われてますけれども、既に1年前から、ああいうチラシがもう配布され、周知されていたということでございます。 また、消費税率引き上げ時に実施されるキャッシュレス決済によるポイント還元事業についても同様であります。 そこで、軽減税率対応レジシステム補助制度キャッシュレスポイント還元事業に関する県内の中小・小規模事業者への周知について、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 消費税率の5%から8%、そして10%への段階的な引き上げについては、国の社会保障・税一体改革に基づき、増収分の全額を社会保障の財源に充てるとされています。これは、社会保障の安定財源を確保することで、子や孫の世代に負担を先送りせず、子供からお年寄りまでの全世代型の社会保障制度の構築を目指すものとされております。 平成26年4月の8%への税率引き上げのときには、増収分を活用し、子供、子育て支援や医療、介護、年金の充実などが図られました。また、今回の10%への税率引き上げ分により、幼児教育、保育の無償化、待機児童の解消、高等教育の無償化なども実施することとされており、地方創生にもつながるものであります。 これら全世代型の社会保障制度を持続可能な制度とするためには、税収が安定し、世代間の負担が公平な消費税の税率引き上げは、必要なものと考えています。 一方、消費税率引き上げは、回復基調にある経済に影響を及ぼす懸念があることから、十分な対策を講じた上で実施する必要があり、本県も、全国知事会などと連携し、対策を求めてきました。 今回の消費税率引き上げに当たって、国は、前回の引き上げ時の教訓を生かし、経済への影響を十二分に乗り越える対策を実施することとしています。 具体的には、軽減税率制度の導入や中小小売業等に関する消費者へのポイント還元、低所得者・子育て世帯向けプレミアムつき商品券の発行など、総額2.3兆円の新たな対策が講じられています。 今後は、国が実施するこれらの対策の実効性や景気動向とともに、経済的に弱い立場にある方々や事業者への影響を注視していく必要があります。特に、本県においては、熊本地震からの着実な復旧、復興に影響が及ばないよう、十分に留意する必要があります。 県としましては、これらの状況をしっかりと注視し、必要に応じて、さらなる対策の実施を国に求めてまいります。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 軽減税率対応補助制度等の中小・小規模事業者への周知についてお答えします。 国では、軽減税率対応レジシステムの補助事業やキャッシュレス決済を行った消費者へのポイント還元事業の実施に当たり、中小企業基盤整備機構に事務局を設け、専門的に相談や周知に当たっています。 しかし、これらの補助事業は、議員御指摘のとおり、事業者によって申請手続が異なるため、わかりやすい制度周知と事業者の皆様の理解が重要となります。 そのため、県内の商工団体等において、相談対応はもとより、今年度は、県内各地域で100回を超えるセミナーや説明会を開催する等、周知に積極的に取り組まれています。 県においても、国からの制度に関する周知等の依頼を受け、県内事業者消費税引き上げに適切に対応できるよう、リーフレットの配付や県ホームページ等での周知を行ってまいりました。 キャッシュレスポイント還元につきましては、本年3月に、商工団体の経営指導員等を対象に説明会を実施しました。また、6月には、約30のキャッシュレス決済事業者を招き、経営指導員や事業者を対象としたキャッシュレス決済端末を実際に使う体験会を開催いたしました。 今後とも、県内商工団体等と連携し、軽減税率への対応やキャッシュレス化推進等に関する理解と周知に努めてまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) ありがとうございました。 商工観光労働部長の答弁は、皿を割る手前でございましたけれども、もう少しだったら、完全に割れたかなと思いましたけれども、しっかり頑張っていただきたいと思います。 先ほどもありましたように、ちゃんと1年前に、こういう情報があって、しっかりと出されたと。最近のテレビでは、何かしら全然そういう報道もなくて、全然材料もないとかと言われていますけれども、もう既に1年前から話があったけれども、心のどこかには消費税率が上げられないんじゃないかということで、ある意味では先延ばしにしたというのもあるのではないかというふうに思います。 また、今回、例えば、レジを買うにしても、本来は9月30日が期限なんですけれども、それまでに、物がなくても、契約をしていれば補助金が出るという流れも、我が公明党が主張し、実施されるようになりましたので、あわせて御報告をしておきたいと思います。 3番目の質問でございます。 三里木―阿蘇くまもと空港間のアクセス鉄道整備についてお尋ねをします。 蒲島知事は、昨年12月5日、熊本空港のアクセス改善の取り組みとして、JR豊肥線三里木駅から分岐し、県民総合運動公園を経由して空港へ至る鉄道延伸案の大まかなルートを発表しました。 この発表に至るまでには、鉄道を初め市電の延伸やモノレールの案などもありましたが、定時性、速達性、大量輸送、事業費などの総合判断による結果だと受けとめています。その中で、幾つか気になる点がありますので、お伺いします。 まず、昨日、鎌田議員が乗り継ぎの利便性の件で質問されました。利用者にとっては、大変重要なことですから、しっかり検討していただき、納得いく答えを期待します。 そこで、私の乗り継ぎに関する意見ですが、JR豊肥線から乗り継ぎもなく、直接三里木駅を経由し空港へ向かうとすれば、スムーズになりますが、それを可能にするためには、三里木駅から県民総合運動公園に時計回りに大きな円を描くようなルートをとらなければならず、その後は、県民総合運動公園あたりから、今度は、時計回りの逆方向にカーブをしながら空港へ向かうルートになると考えます。このルートを採用すれば、延長が長くなり、用地買収もふえ、事業費がかさむおそれがあります。 一方で、JR豊肥線から直接三里木駅を経由することをやめ、一旦三里木駅で乗りかえることにすれば、ほぼ直線的に県民総合運動公園へ向かうことができ、先ほどのルートよりは、かなり延長は抑えられます。 また、いずれかのルートを通ったとしても、最後は空港にとまります。その際、空港ビルとの連結が地上であれば、現駐車場との兼ね合いが悪くなるおそれがあり、地上より高い位置か地下に駅をつくるか、どちらかになると予想されます。 いずれにしましても、ルートの選定は、用地買収対象者や周辺地域の今後のまちづくりにも影響を与えます。どうか、ルート選定に当たっては、県民の理解が得られるような提案を期待します。 そこで、新しい旅客ターミナルビルが整備される熊本空港までの早期運行を目指すのであれば、できるだけ早い時期の決定が望ましいと思いますが、ルート選定発表の時期はいつごろになるのか、お尋ねをします。 次に、今回の熊本空港への鉄道延伸は、空港を利用する方には大変便利な交通手段となります。ただ、心配するのが、朝夕のラッシュ時による混雑で、現在の最終便の到着時のように旅客者が集中した場合は、車両数次第では、一度に乗り切れない状況が想定されます。 また、一方で、この鉄道延伸ができても、利用しづらい方も多いと思いますが、その方々は、従来どおりリムジンバスやマイカーなどを利用することになります。 このように、空港利用者は、さまざまな事情により、交通手段を選択することになりますが、空港へのアクセスのあり方については、全体的にどのような考えをお持ちか、お尋ねをします。 次に、空港への鉄道延伸が実現できることで、一つのプランを提案したいと思います。それは、髙木議員がこの議場で何度も粘り強く訴えてこられた藤崎台球場の整備について、今回の鉄道延伸地域へ移転することです。 特に、新駅が予定される県民総合運動公園周辺は、言わずと知れた県のスポーツ施設が集積する場所です。この周辺に県営野球場を整備すれば、県のスポーツのメッカとして、ますます存在感を発揮しますし、また、この新球場をきっかけに、さらに県民のスポーツ意識の向上につなげられると考えます。 予算等の問題もありますが、藤崎台球場の長年の課題解決、鉄道延伸に伴う球場利用者の利便性、また、創造的復興の貢献を目指す新空港周辺の活性化に勢いがつくと確信しますが、これまで述べた事柄について、蒲島知事のお考えをお示しいただきたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、ルート選定発表の時期についてお答えします。 本年の2月定例会において、空港アクセス鉄道整備に向けた基本的方向性について、JR九州の同意を得たことを御報告いたしました。 この基本的方向性を踏まえ、今年度は、具体的なルート選定や需要予測、事業採算性などの詳細調査を行っています。なお、調査は、鉄道整備に多数の実績を持つ独立行政法人鉄道・運輸機構に委託し、JR九州などの関係機関とも協議を行いながら、実際の鉄道整備を見据えた調査検討を行っているところです。 ルート選定では、安全で快適な運行が可能か、経済的かつ技術的にすぐれているか、地域の土地利用や環境に十分配慮しているかなどの視点で、複数の実現可能なルートの検討を行っています。 現在、鋭意調査を行っている段階であり、現段階では発表時期は明言できませんが、アクセス鉄道の開業を2023年春の新ターミナルビル完成にできるだけ近づけるよう、時間的緊迫性を持って取り組んでいきます。 ルートについては、検討結果がまとまり次第、県議会を初め、県民の皆様に御報告したいと思います。 次に、空港アクセス全体のあり方についてお答えします。 今後一層の空港利用者数の増加が見込まれる中、アクセス鉄道の輸送力や鉄道が利用しづらい地域があることも考慮すると、自家用車やバスを含めた多様な移動手段が必要であると認識しています。 本年4月には、阿蘇くまもと空港の運営を担う熊本国際空港株式会社の新たな空港運営ビジョンが示されております。そこには、空港から熊本市内の交通拠点との接続強化や観光地へのバス路線拡大など、いわゆる2次交通の拡大、拡充が掲げられています。 また、必要な駐車場の確保についても、立体駐車場の整備を含め、将来の需要を見据えて必要な台数を十分に確保される予定と聞いています。 県としましても、空港運営会社としっかり連携しながら、空港アクセス鉄道を初めとするさまざまな交通手段のベストミックスを図り、利用者の利便性向上に努めてまいります。 最後に、藤崎台県営野球場の移転についてお答えします。 藤崎台球場については、新球場建設の必要性も含め、現在、熊本県・熊本市のスポーツ施設のあり方検討会議において議論を行っているところです。 このため、議員から御提案のありました移転整備については、現段階では判断できる状況にはないと考えています。 一方で、空港アクセス鉄道は、運動公園付近へ新駅を設置することにより、各種スポーツ大会や大型イベントなどを誘致し、県経済のさらなる活性化につなげることを目的の一つとしています。 このような観点から、御指摘の内容を含め、あらゆる可能性について、今後、中長期的に検討を深めてまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 球場の、ある意味では移設といいますか、場所については、いろんな議員の先生方が、いろんな思いで、我が地域にというような意見もあると思います。ぜひ、そういう意見もいろいろありながら、その中でベストな場所を選んでいただければと思います。私は、重ね重ね、この空港の鉄道沿線にあると非常にいいのかなと思いますので、どうか御検討のほどよろしくお願い申し上げます。 次に、4番目の質問でございます。 空路拡大の展望について、関連でございますけれども、質問します。 先ほどは、空港の整備やアクセスについて質問しましたが、今度は、空港の路線について伺います。 ことし7月25日、ラオス航空が熊本―ビエンチャン・ルアンパバーン線を開設し、就航は11月29日予定という発表を聞き、大変びっくりしました。 この決定に至るまでには、長崎空港、福岡空港、北九州空港など検討された経緯があったと聞きましたが、最終的には、県の努力などもあり、創造的復興のシンボルとしてスタートする新しい阿蘇くまもと空港に、ラオス発の日本直行便というビッグチャンスをつかむことになり、大変歓迎します。 また、7月29日には、在福岡ベトナム総領事館のヴー・ビン総領事が、就任挨拶で蒲島知事と面会され、地方自治体や大学などとの交流のほか、若い世代の交流の推進などが語られ、その交流拡大に向け、国営ベトナム航空が、就航先として、熊本を含む九州に関心を持っていると紹介されたと聞いています。 この路線も、もし誘致に成功すれば、まさに県が目指す九州セントラルゲートウエーの構想に勢いを増すと思います。 そして、新たな空港運営会社の最終目標は、中国では、北京や上海を初め各主要都市、そして、フィリピン・マニラなどにも就航を目指す考えと聞いていますが、実現しますと、大変にぎやかな空港となり、旅客数も相当数見込めます。 これは、県にとっても、経済や観光の面でも大変メリットがあり、空港を運営する民間会社も、経済面で大変明るい材料となります。ぜひ、地方空港ナンバーワンを目指して頑張っていただきたいと思います。 そこで、お尋ねしますが、このような新規路線を開拓するに当たっては、これまで県が率先して対応してきたようですが、本来であれば、空港運営会社が民間のノウハウを活用し、新規路線の開拓の推進に努めるべきと考えますが、県と空港運営会社は、どのような役割を持って対応されるのか、お尋ねします。 次に、新しい阿蘇くまもと空港の2051年度目標値では、国際線17路線、旅客数622万人などを掲げていますが、仮にこれだけの路線を確保するとすれば、相当混み合うことが予想されますが、今の空港の運用時間内で可能なのか心配です。さきに述べたラオス航空が、福岡空港を断念した背景には、混雑空港で発着枠がとれなかったことが断念に結びついたとも聞いています。 そこで、空港の運営面や相手方の要望によっては、今の運用時間の変更なども生じるのではないかと気になりますが、この点についてはどのような考えをお持ちか、お尋ねをいたします。 さらに、これだけ空港が大きくなり、国際線の便数もふえるとなれば、今ますます増加傾向にある本県の農畜産・水産物の海外輸出の拡大にも期待がかかるのは当然のことと思いますが、今後の航空貨物について、どのような戦略をお持ちなのか、お尋ねをします。 次に、既に国際線として就航している韓国・ソウル線及び大邱線についてですが、御承知のとおり、日韓関係の悪化により、先方より一方的に運休の知らせがあり、現在運休していますが、日韓関係の今後の行方が見えず長引くようであれば、新たな路線の拡大交渉も影響を受けると思います。 そこで、韓国のティーウェイ航空やエアソウルとは、今後どのような関係を持たれようとしているのか。 以上、蒲島知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、新規路線の開拓に当たっての県と空港運営会社の役割についてお答えします。 路線誘致については、県のこれまでの取り組み内容を運営会社と共有しながら、両輪となって取り組むことが重要です。 その上で、基本的な考え方としては、運営会社が、みずから提案した将来の航空ネットワーク戦略に基づき、主体的に路線誘致を進め、県は、トップセールスや利用促進のための広報などの支援を行うことを想定しています。既に、運営会社においては、独自のネットワークを活用し、海外の航空会社との接触を始めていると聞いています。 県としては、民間のノウハウが最大限発揮され、路線や空港利用者が増加し、交流人口や消費、投資の拡大につながるよう、運営会社としっかりと連携してまいります。 次に、空港の運用時間についてお答えします。 今後の路線誘致においても、まずは現行の運用時間内での対応が大前提であると考えています。 ただ、航空路線の拡大や県民ニーズの高まりにより、将来的に延長の検討が必要となった場合は、地域住民や地元市町村の意見もしっかりと踏まえた上で、県の考え方を整理したいと考えています。 次に、航空貨物についてお答えします。 九州の中央に位置する地理的な優位性や周辺地域への企業集積、豊富な農林水産物など、阿蘇くまもと空港には、航空貨物拡大の大きなポテンシャルがあります。運営会社の提案でも、2051年度には、貨物取扱量を現在の3倍となる4万2,000トンにふやす目標を掲げられており、大いに期待しているところです。 県としても、今年度、航空貨物の取り扱いの現状を詳細に把握し、課題を整理するための調査を実施しています。この調査結果を踏まえ、運営会社を初め、農林水産品の生産者や物流事業者等と連携をしながら、航空貨物拡大に向けた具体的な取り組みを進めてまいります。 最後に、韓国のティーウェイ航空及びエアソウルとの今後の関係についてお答えします。 韓国路線は、本県の国際線の中で、安定して多くの皆様に利用いただいている主要路線であり、ティーウェイ航空、エアソウルの両社には、誘致の段階から、良好な関係のもと、本県の国際交流の拡大に多大な貢献をいただいています。 先日、ティーウェイ航空の鄭社長から、今回の運休は苦渋の決断であり、これまでの本県との良好な関係を踏まえ、早期の運航再開を目指したいという丁寧な手紙もいただきました。 今後も、両社との関係を維持しながら、早期の運航再開に向けて協議を継続してまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 熊本空港の国際線の充実は、大変大事なことでございます。先ほど、知事からありましたように、やっぱり民間は民間で、そのような形でしっかりつながっておくということは、熊本空港の発展にも大変大事なことだと思いますので、友好関係、違う意味で、しっかりと民間として、また、ある意味ではつながることも大事かなというふうに思います。 次に、5番目の質問でございます。 熊本都市圏の道路整備について質問をします。 昨年9月の代表質問でも、この熊本都市圏の交通渋滞解消に向けた取り組みについて、質問させていただきました。 その内容は、今熊本市で話題になっている熊本市の庁舎建てかえ問題で、現在の場所に建てかえるか、違う場所に移転するかによっては、渋滞状況が変わってくるのではないかとの問いで、これまで、熊本市の都市圏交通を一緒に考えてきた県として、交通渋滞の解消の観点から、庁舎建てかえの問題をどのように捉えているかとの質問でした。そのときの答弁を余り覚えていませんでしたので、大した答弁ではなかったかなと思います。 ことし、6月7日、熊本市の大西市長は、記者会見で、熊本市内の道路において、連続する高架道路の整備を検討する考えを明らかにしました。また、都市高速道路も視野に入れ、年内にはルートを決めるとの決意を述べられました。 このような方針を市から発表されるのは初めてで、この背景には、市内中心部の移動速度が平均16キロ、主要渋滞箇所180カ所は、3大都市圏を除く全国政令指定都市ワーストワンということがあり、市内の交通渋滞緩和を一日も早く解決したいとの決意のあらわれと私は捉えましたが、大歓迎し、期待したいと思います。 ただ、この高架化を含めた都市内の道路については、東バイパスの供用直後から、県議会でも随分論議された経緯があります。 まずは、昭和61年度に、都市高速道路を検討すべき課題と質問があり、その後、単独立体交差、連続立体交差の論議がなされ、平成3年には、東バイパスの大渋滞の状況から、複数の議員がこの問題を取り上げ、建設常任委員会にて、国道57号線東バイパスの高架化について、都市圏の幹線道路として、その位置づけ、財源並びに事業主体等を、平成6年から、国、県、市で具体的に詰めていきたいとの答弁があり、その後、事業費や有料化などのさまざまな論議がなされましたが、私が初めて県議会に議席をいただいた平成11年ごろは、単独立体交差、連続立体交差に加え、平面6車線との比較検討の上、早期実現可能な平面6車線化の整備が行われたところです。 このような経緯を見ますと、昭和61年に、県議会で最初に都市高速道路の話が持ち上がり、33年たった今日、熊本市の政令指定都市の誕生という環境も変わりましたが、今度こそ、東バイパスのみならず、熊本市の中心部までの都市高速道路や連続する高架道路の整備がなされることを、多くの県民、市民が期待しているところです。 そこで、お尋ねしますが、今回、国や県も、熊本市と一緒に、熊本都市道路ネットワーク検討会を立ち上げられ、今後、ルートの選定など、具体的な事業計画を策定されると思います。私の案としては、市内中心部へのルート、また、グランメッセや県民運動公園方面などへのルートが渋滞緩和の効果を発揮するのではないかと思いますが、県の立場として、高架化を含めた都市内の道路について、どのような構想を持って臨もうとしているのか、お尋ねします。 また、県は、熊本市に通ずる九州中央自動車道、中九州横断道路、熊本天草幹線道路、有明海沿岸道路といった重要な幹線道路の整備促進も抱えています。この全てを完成させるまでには、相当な予算確保が必要となります。 そこで、今後、県の道路整備に係る戦略についてはどのような考えをお持ちか、以上、蒲島知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、高架化を含めた都市内の道路構想についてお答えします。 私は、熊本都市圏の慢性的な交通渋滞の解消は急務であると考え、熊本市を初めとする周辺市町村とともに、道路ネットワークの強化に努めてまいりました。 しかし、議員御指摘のとおり、熊本市内は交通渋滞が著しく、特に東バイパスは、暫定的に6車線化整備がなされましたものの、環状道路としての機能が十分に発揮されていない状態です。 また、熊本地震では、幹線道路の被災や寸断により、渋滞に拍車がかかり、救急救命活動や支援物資の輸送などに支障を来しました。このことで、道路ネットワーク整備の重要性を改めて感じました。 そのため、本年6月に、熊本都市道路ネットワーク検討会を設置し、国や熊本市、経済界が一堂に会し、議論を進めることといたしました。 私は、県内はもとより、九州全体の経済の発展に向け、新しい熊本の礎を築くため、熊本都市圏を環状する東バイパスだけでなく、市中心部と九州縦貫自動車道を結ぶ国道3号などの主要な都市内道路について、高架化を初め幅広く検討することが大切だと考えています。 今後も、国や熊本市、経済界と連携を図りながら、これまで重ねてきたさまざまな議論や震災の経験をしっかりと生かし、時間的緊迫性を持って取り組んでまいります。 次に、幹線道路整備を含む戦略についてお答えします。 本県が、九州の中心に位置する地理的優位性を最大限に発揮し、九州全体の発展につなげていくためには、熊本都市圏の道路はもとより、九州の縦軸、横軸となる幹線道路の早期整備が不可欠と考えています。 そのため、私は、九州中央自動車道や中九州横断道路等の整備を推し進めてまいりました。その結果、本県の幹線道路整備は大きく進んでおり、このよき流れをさらに加速させていかなければなりません。 今後とも、県議会の御理解と御支援をいただきながら、全ての道は熊本に通じるとの構想の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 33年前のこの県議会で、東バイパスが着々とできつつある中で、既にそのときから、今の東バイパスは渋滞する、だから高架化をやるんだというのがこの議場で論議がありました。そして、33年たって、まだ形が変わっておりません。6車線化にはなりましたけれども。そのときは、ほとんどの論議は、この熊本県議会でございました。 ただ、今は、33年たって、主体が今度は熊本市になります。だから、熊本市になったからといって県が引いてしまうと、これはまたなかなか難しくなる。県も、しっかり国と市と連携をしながら、この実現に向けて頑張っていただきたいというふうに思います。 それでは、今からは、知事の答弁が終わりまして、部長でございます。皿を割っていただくような答弁を期待したいと思いますので、よろしくお願いします。 国土強靱化の推進についてでございます。 ことしも、猛暑が続き、大変な夏でした。また、突発的な集中豪雨、大型の台風の発生など、生命を脅かす自然の猛威はとまることを知らないようです。それに加え、地震や火山の噴火など、予期せぬ自然災害も日本全土で起こり続けています。 熊本地震を経験した多くの県民は、あの苦しい経験を忘れず、災害予防に対する高い意識を持続していかなければと思います。 この9月は、防災月間でもあります。防災に関する取り組みが県下各地で行われると思いますが、備えあれば憂いなし、災害は忘れたころにやってくるの言葉を教訓に、より多くの方が参加する防災訓練であればと期待します。 今、国及び地方公共団体は、あらゆる災害を想定し、それぞれが国土強靱化計画などを策定し、災害による被害の最小化に努めています。 本県でも、国の支援もあり、国土強靱化対策として3カ年計画を立て、インフラ整備を中心に進めており、来年度で終了する予定ですが、大変重要な取り組みであり、取り組まれた事業は、全て被害の最小化につながると確信しています。 今回の質問は、インフラ事業ではなく、ソフト対策事業の観点から、国土強靱化対策の取り組みについて質問をします。 まず、第1点目の質問ですが、ことし5月末から運用がなされた防災気象情報、大雨・洪水警報レベルの5段階区分での情報伝達のあり方についてですが、この運用に当たる背景には、国が、国民に、みずからの命はみずからが守る意識を持ってもらい、行政は、その行動を全力で支援するとの方針があります。 早速、運用開始から、テレビ等で、この区分のもと、情報が発表されました。私は、県下市町村の防災メールを登録していますので、広範囲の市町村に気象警報等が発令されますと、メールの着信音が鳴りやまない状況になります。しかし、その都度緊張し、情報収集に努めています。 問題は、この5段階区分の3以上で出されたものについて、発令の捉え方に個人差が大きく、わかりにくいのではないかという点です。 例えば、レベル3の場合、気象庁の情報で、大雨・洪水警報、氾濫警戒情報が出された場合、市町村の対応では、避難準備・高齢者等避難開始が出され、住民がとるべき行動は、高齢者等の避難となります。また、レベル4では、気象庁の情報で、土砂災害警戒情報、氾濫危険情報が出された場合、市町村の対応としては、避難勧告、避難指示が出され、住民がとるべき行動は、全員の速やかな避難となります。 去る6月29日、県下は大雨になり、新しい防災気象情報のもと、レベル4が出されました。発令対象がピークとなった日時は、7月3日午後6時で、14市町村で、12万594世帯、28万1,143人に避難勧告が出されました。 しかし、このとき、実際に指定避難所に避難された方は、県下全域で、1,868世帯、2,798人でした。大体数字からすると1%前後。この数字から見ますと、どれだけこの情報が浸透しているか、疑問に思います。 さらに、こんな疑問もあります。大雨警報が出された場合、河川の近くや浸水のおそれがある場所にある指定避難所より、高層住宅や高台に住まわれている方は、逆に動かないほうがより安全だと思う方も多いと思います。また、避難勧告や避難指示が全世帯に出されても、指定避難所では一度には受け入れられない市町村があると聞いています。こうした市町村では、避難勧告や避難指示を出すことで問題が生じます。このような問題を今後どのように対処するか、大変気になります。 そこで、新しい基準の防災気象情報については、ニュースや新聞、チラシ等で周知はされていますが、まだよく理解されていないような気がします。県としては、市町村と連携をとり、県民が適切に対処できるよう、防災気象情報の理解を高める取り組みを行うべきと思いますが、県民の5段階区分の理解度の認識と今後の対応についてお尋ねをします。 次に、2点目の質問ですが、熊本地震のとき、多くの被災者が困った問題に、住まいの確保がありました。地震直後は、体育館などの避難所や野外テント、そして車中泊など、寝床を確保することに無我夢中でした。その後は、次第に仮設住宅やみなし仮設住宅などの手配がなされましたが、住宅を希望する全ての方に満足できる対応ができたかは課題があったと思います。 この住宅問題は、大きな災害が発生するたび、日本全国どこでも起こり得ることでもあります。 そこで、私は、以前から空き家対策を質問してきました。空き家には、Iターンや新規就農者などに貸し付けるいろんな活用の方法がありますが、市町村では、このようなニーズに応えるため、空き家バンクの名称で、貸し出しや売却の条件などの情報を管理しているところがあります。 私は、この空き家を災害時に大いに活用すべきと考えています。そのためには、空き家の所有者に、事前に災害時の貸し出しの意思や貸し出す条件等を決めておき、いざ災害に見舞われたとき、いち早く活用できるようにしておくべきではないかと考えています。 今回の熊本地震で、空き家がどれくらい活用されたかは承知していませんが、事前に対応しておけば、特に配慮が必要な障害者等がいる御家族など、避難所や車中泊では生活しづらい方々には、大変ありがたい住まいになります。 また、このほかに、企業の社宅なども対象に考えられます。 県として、空き家などの活用をどのように考えておられるか、お尋ねをします。 次に、3点目の質問ですが、県民が災害の被害などを予見する一つのツールとして、各市町村が策定した洪水浸水想定図や土砂災害危険地域などを記したハザードマップなどがあります。 しかし、一般の県民の方には、なかなかなじみが薄く、ハザードマップの意味するところも余り理解されておらず、いざ見ようとすれば、どこに保管してあるかわからないと言われる方も少なくないと思います。しかし、このハザードマップを熟知すれば、災害情報をもとに、適切な判断や行動がとれるようになります。 そこで、提案です。 先ほどの洪水浸水想定図や土砂災害危険地域などを記したハザードマップは、県のホームページで見られるようになっています。ただし、地図上に記されており、住宅の様子や地形の様子が読みにくい状況にあります。 これをグーグルなどの写真図の上に重ねると、自分の居場所と状況がつかみやすくなり、そのほかにも、指定避難所などを写真図などにアップしておきますと、知らない地域で災害に遭っても、スマートフォン等で、いち早く指定避難所に向かうことができます。このような対応を、国土地理院では、一部で対応しています。(資料を示す)今画面に写っている分です。 そこで、災害時における災害の予見に役に立つ地図情報のあり方について、どのように考えておられるのか、お尋ねをします。 ついては、第1点目及び第3点目は知事公室長、第2点目は健康福祉部長にお尋ねをいたします。  〔知事公室長白石伸一君登壇〕 ◎知事公室長(白石伸一君) 議員から御質問いただきました3点のうち、最初に、私から1点目と3点目についてお答えさせていただきます。 まず、1点目の5段階区分についての県民理解度の認識と今後の対応についてお答えします。 この5段階警戒レベルは、昨年、西日本を中心に大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨におきまして、避難勧告などの意味が住民の方々に十分に理解されていなかったことを踏まえ、国が導入したものでございます。 これを受け、県では、新たな警戒レベルを用いた避難行動について、ホームページや広報誌、ツイッターなどを活用して、県民の皆様に周知を図ったほか、市町村においても、積極的に周知が行われております。 議員御指摘のとおり、ことし7月上旬の大雨では、市町村が発令した避難勧告などの対象者約28万人に対して、指定避難所に避難された方は約2,800人にとどまっており、引き続き、粘り強く周知を図っていく必要があると考えております。 一方で、このような数値となった一因としまして、自分だけは大丈夫だと思っていらっしゃる方のほか、実際の避難に当たっては、安全な高層住宅などにお住まいのため避難が不要であった方や、親戚の家や近くの公共施設など、指定避難所以外の場所へ避難された方々がおられることも影響していると考えています。 県としましては、命を守る行動について、さまざまな選択肢が考えられる中で、自宅が河川や崖の近くなど、県民一人一人が置かれた危険度に応じ、自分にとって最善の避難行動をしっかりと意識し、行動していただくことが大変重要だと考えております。 このため、県民の皆様に、お住まいの地域の災害発生のリスクとそれに応じた行動を日ごろから確認していただけるよう、ハザードマップを使った避難訓練への参加など、自助力向上につながる啓発の充実を図ってまいります。 あわせて、避難勧告等を発令する市町村には、浸水想定区域や土砂災害警戒区域といった、災害発生リスクに応じたエリアごとの避難勧告の発令、指定避難所の数の確保や環境整備などに関して、引き続き助言を行ってまいります。 次に、3点目の災害の予見に役立つ地図情報のあり方についてお答えいたします。 自分が住む地域の災害リスクや避難先を把握しておくことは、自主的な避難行動をとる上で、大変重要でございます。 これまで、県では、河川の浸水想定区域や土砂災害警戒区域などを記したハザードマップをホームページに掲載するなど、県民の皆様に地域の災害発生リスクを周知してまいりました。また、市町村では、ハザードマップに指定避難所等の情報を加えた防災マップを作成し、住民に周知されております。ただ、掲載方法や内容にばらつきがあるといった課題がございます。 このような中、現在、県では、災害情報を、県、市町村、関係機関の間で、視覚的に速やかに伝達、共有する防災情報共有システムの整備に取り組んでいるところでございます。 このシステムは、地図や航空写真に危険区域や避難先などの防災情報を重ねて表示する機能を有しており、スマートフォンなどでも閲覧が可能となります。 これにより、今後、県民の皆様はもとより、県外から来られた方などにも、被害想定区域や指定避難所といった情報をよりわかりやすく一元的に提供できるようになります。 今回、議員から御提案いただいた内容も踏まえながら、システムの整備を進めてまいります。 引き続き、県民の皆様に、みずからの命はみずからが守るといった意識をしっかりと持っていただき、命を守る行動を実践していただけるよう、市町村とも連携しながら、住民への啓発や情報提供のための取り組みを進めてまいります。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 御質問の2点目の災害時における空き家等の活用についてお答えします。 災害で住宅が大きく損なわれた被災者にとって、当面の住まいを確保し、居住の安定を図ることが何より重要です。 このため、災害救助法において、応急仮設住宅の供与が制度化されていますが、熊本地震では、半壊以上が約8万世帯に及ぶなど、住家に甚大な被害が発生し、発災当初は、これまでに経験したことのない多くの住まいを短期間で確保する必要があり、対応に苦慮したところです。 この経験から、議員御提案の空き家の活用は、被災者にいち早く安心できる住まいを提供する上で、有効な方策の一つになり得ると考えております。 現在、38市町村で空き家バンクが整備され、合計377件が登録されております。これらの物件について、平常時から耐震性や所有者の意向を把握しておくことにより、発災後、速やかに応急仮設住宅として活用できる可能性が高まると考えられます。 このため、災害時における円滑な住まいの確保に向け、市町村とも連携を図りながら、空き家等の有効活用について検討を進めてまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) やっぱりこの5段階の分ですけれども、なかなかこの意味がよく理解されてないで、逃げるべきか逃げないべきか、結果的にはそのままという。そうすると、テレビで、ばんばんばんばんああいう発表が出ても、結果的には、何の意味だったのかというふうになってしまう。だから、これを明確にやっぱり理解していく、そして、私たちがどういう行動をとればいいかということをしっかり理解させていく、ある意味では、そういう対策が必要ではないかと改めて思います。 それと、そういうことの情報を、ある意味では、県民にわかりやすく伝えてあげる、そのことで、こうやって......(資料を示す)これは私のスマートフォンですけれども、こういう形で、ある方にこういうのをつくっていただきました。これ、カラーで見ると、非常に皆さんわかりやすいけれども、手元のは白黒だと思います。ちゃんと浸水想定図、浸水1メーターの場合がこの色、2メーターはこの色と、こういうことで、この地域は、これだけ雨が降ったら、こういう、段階的にふえていきますよと。それと、レッドゾーン、イエローゾーン、これは、この場所で、スマートフォンで見れる。県は、パソコンで見れるといいますけれども、停電だったら何も見れません。スマートフォンだったら、自分がどこにいても、その場所で見ることができる、この優位性。 今県がこのことを考えていますけれども、考えているものを見ましたけれども、これには十二分におぼつかない。まだまだぐっと低いような内容の分で整備されています。それで果たして使い道になるのかという心配があるから、改めてこういう形で提案をさせていただきましたので、ぜひまた、バージョンアップ、いろんな形で検討していただきたいというふうに思います。 次に、7番目の質問です。 最低賃金の底上げと福祉的な支援を必要とする無就業者への対策についてでございます。 8月1日、地元紙の一面に「最低賃金 初の900円台」と、大きな活字が紙面を飾りました。 御承知のとおり、中央最低賃金審議会が、2019年度の地域別最低賃金の改定について、全国平均の時給を27円引き上げ、901円とする目安をまとめ、答申するとした内容でした。この上げ幅は、2002年度に時給で示す現在の方式となって以降最大で、全国平均の時給が900円台に達したのも初めてということです。 そこで、本県に目を向けてみますと、26円引き上げの788円となるようですが、都市部に目を向けますと、東京は、28円引き上げの1,013円、神奈川県でも、28円引き上げの1,011円となり、やはり都市と地方部では依然格差があるようです。 このように、今回の上げ幅が、2年連続で過去最大を更新したことは、政府がことし6月にまとめた経済財政運営の指針、骨太方針で、より早期に1,000円を目指す方針に沿った審議の結果と受けとめられています。 ただ、本県での最低賃金を審議する熊本地方最低賃金審議会では、上げ幅を26円主張する使用者側と29円を主張する労働者側との激しいやりとりがあり、論議の末28円で決着し、地方審として答申して、熊本労働局長も、答申どおり28円引き上げることに決めました。これで、本県の最低賃金は790円となるわけです。 そこで、私は、この最低賃金に関して、大変気になる県がありましたので、8月初旬、島根県に視察に行きました。 この島根県は、平成24年度以前までは、最低賃金が本県より低い水準でしたが、平成25年度で並び、それ以降は、毎年、島根県が熊本県より高い水準を維持していました。今回やっと同じ最低賃金に並びます。 そこで、本県よりも人口が少ない70万人の島根県ですが、このように高い水準を維持できているのは、何が要因になっているのか担当者にお尋ねしましたら、恐らくと前置きしながら、人口が少ない本県にとって、人材確保は非常に大事なこと、若者を初めとして雇用の流出をとめる意識が高いのではないか、また、使用者側も労働者側も非常に良好な関係にあり、このような結果になっているのではないかとの話がありました。 私は、この話を伺ったとき、島根県の取り組みとして、日ごろから人材の流出に対する意識の高さが大もとに根づいていように感じました。 そこで、お尋ねします。 まず、第1点目ですが、今回の最低賃金について、本県としてはどのように受けとめているのか、また、人材流出、特に若者の流出を防ぐ対策についてはどのような考えをお持ちか、お尋ねをします。 次に、雇用確保の対策についてお尋ねしますが、今国は、幅広い分野での雇用不足の現状を踏まえ、外国人労働者の受け入れを緩和するなどした、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律、技能実習法をつくるなどして対応しています。今の我が国の現状からしましたら、これは仕方ない対応だと理解します。 一方で、内閣府調査で、2018年12月時点での40歳から64歳までのひきこもりの推計人口が約61万人となり、また、2015年度の同種調査で、15歳から39歳まででは、推計約54万人という結果があります。調査時点も違い、単純な合計はできませんが、合わせますと約115万人になるわけです。この中には、すぐには就労が難しい方もいると思いますが、その中の一部でも就労されますと、随分労働者不足を補うのではないかと誰しもが思うことであり、早急に手を打つべき課題でもあります。 今8050問題という言葉があります。80代の親が50代の子供を支えるという意味で使われています。大変深刻な問題です。誰もが想像するのは、親が亡くなったら、その方々はその後どうなるのだろうか、そう心配するのは私一人ではないと思います。 そこで、本県でのひきこもりを初めとする福祉的な支援を必要とする無就業者に対する就労に向けた取り組みについてお尋ねをします。 以上、質問の第1点目は商工観光労働部長へ、質問の第2点目は健康福祉部長にお尋ねをいたします。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 今回の最低賃金の改定については、公益、労働者、使用者の代表で構成する国の熊本地方最低賃金審議会において、地域の実情を踏まえ、十分審議された結果であり、尊重すべきものと考えております。 審議の中では、労働者代表委員は、健康で文化的な最低限度の生活ができる水準として、十分とは言えないという意見であった一方で、使用者代表委員は、中小企業の先行きに対する不安は根強く、既に支払い余力は非常に乏しいとの意見であったと聞いています。 県としましては、人口減少、人手不足の状況が続く中、東京への一極集中や都市部への人材流出を防ぎ、経済の地域格差の是正を図るためには、将来的には、最低賃金を初めとした賃金の格差が縮小していくことが望ましいと考えております。 最低賃金等の引き上げのためには、その必要性について広く理解を得るとともに、引き上げを推進するため、特に大きな影響を受ける中小企業・小規模事業者に対して、支援を強化することが重要です。 そのため、国においては、生産性向上のための設備投資等により、事業場内で最も低い時給を30円以上引き上げた場合に、投資費用の一部を助成するなどの取り組みを行っています。 今後とも、全国知事会を通じて、国に対し、最低賃金の引き上げ及び地域間格差の解消に関する施策の充実や引き上げによって影響を受ける企業の取り組みについてのさらなる支援を求めてまいります。 次に、人材の県外流出を防ぐには、若者、特に学校を卒業し就職する方の労働環境の整備や県内企業の魅力を周知することが必要と考えております。 このため、労働環境の整備を促進する取り組みとして、ブライト企業の審査項目に賃金水準や有給休暇取得率を追加いたしました。また、県内企業の社員寮確保への支援、働き方改革セミナーや事例集の作成等も行っております。さらに、県内企業の魅力を周知するため、企業見学会の実施や産業系高校の地元企業でのインターンシップを支援しております。 今後も、教育委員会や熊本労働局等の関係機関と連携するとともに、熊本で働き、暮らすことのメリットや豊かさの周知を図り、人材の県外流出、特に若者の流出防止により一層取り組んでまいります。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕
    健康福祉部長(渡辺克淑君) 福祉的な支援を必要とする無就業者への対策についてお答えします。 ひきこもり状態にある方を初めとする無就業の方の中には、昼夜が逆転し、生活リズムが崩れている、他者とのかかわりに不安を抱いているなど、一般就労に向けた通常の支援だけでは対応が困難な課題を抱えている方がおられます。 このため、県では、ひきこもり地域支援センターにおいて、ひきこもり状態にある方の居場所づくりや家族間でのコミュニケーションについて学ぶ家族セミナーなど、日常生活の自立に向けた支援を行っています。 また、県内各地域において、生活困窮者自立支援法に基づく就労準備支援事業を実施し、起床、就寝、食事に関する助言、指導による規則正しい生活習慣の形成や挨拶の励行、グループワークによる基本的なコミュニケーション力の向上など、社会人としての基本的な能力を身につけるための支援を行っています。 県としては、生活困窮者自立相談支援窓口やひきこもり地域支援センター、保健所、民生委員などとのさらなる連携により、就労の前段階としての社会参加に向けた支援の充実に取り組んでまいります。 また、就労を希望する方に対しては、地域若者サポートステーションやハローワークなどの関係機関とも密に連携を図り、ビジネスマナーの習得や職場見学など、個々の課題や状態に応じた支援に取り組み、就労に向けた一歩を踏み出すための後押しを進めてまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 長く就労しませんと、どうしても働く意欲が低下し、最終的には、高齢になるまで仕事につかない、結果的に、そのとき親がいない、生活ができない、非常に大きな社会問題になります。早いうちにその対応をとる、大事なことだと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 時間がありませんので、また早速次の質問に移ります。 eスポーツの取り組みについて質問をします。 私もなじみがない問題でありましたので、取り上げさせていただきました。 ある夜、NHKのテレビ番組を見ていましたら、テレビゲームのようなものに、若者が鋭いまなざしで画面に食らいつき、小指を物すごいスピードで小刻みに動かしていました。 元来、私は、若いときから、ゲーム機やテレビゲームなどほとんど興味がなく、ほんの少しゲームをやった記憶があるのは、インベーダーゲームぐらいでした。 そんな私が、派手な舞台、センスのよいTシャツ姿の若者、そして高額な賞金が稼げる大会と、知らない世界があることに目を奪われ、番組を最後まで見入ってしまいました。 その番組で、初めてeスポーツという言葉を知りました。その後は、何かしらeスポーツの話題を耳にすることや活字を見る機会が不思議と多くなり、eスポーツにかかわる方とも話す機会が生まれました。 そのような中で知り得た情報では、プロの存在、高額な賞金大会、欧米初め世界の国々で広がりを見せ、特に韓国や中国では競技人口も多く、中でも韓国では、テレビ番組やスポンサーがつくなど、プロ選手はアイドル並みの人気者で、若者のなりたい職業で上位を占めるくらい人気が高いようです。 また、2022年には、中国・杭州で行われるアジア大会の正式競技に決まっており、IOCでは、五輪競技入りは時期尚早としているものの、eスポーツ関係者との対話は続けるとしています。 一方、日本でも、ことし9月から開催される茨城国体の開催機運を盛り上げ、魅力ある茨城を全国に発信するなどを目的とした文化プログラムに採用され、本県でも各予選会が実施されました。 このように、少しずつeスポーツを取り巻く環境が変わっているようですが、先ほど述べたような国々と比べて、我が国は相当おくれているようで、eスポーツに関しては、先進国の中でも最下位クラスと言われているようです。 私は、もう少しeスポーツのことを詳しく知ろうと、ことし5月6日、京都市にeスポーツ会場をつくられた社長に会いにいきました。そこで伺った話では、開会式には京都市長が出席されたこと、また、社長自身が中学校のとき、ゲーム大会で日本一になったときの喜びを、今の若者にプロスポーツとして自信を持ってやれる環境をつくってあげたいなどの思いを伺いました。さらに、この会場に来る若者には、ルールに基づきゲームをやる、チームプレーが基本のため、コミュニケーション能力を求め、礼儀を重んじ、他人に配慮することを利用者に徹底しているなどの話を伺いました。現に、利用者は、高校生や大学生の部活やサークルメンバーが多く、決められた時間で、マナーをよく守り、利用してくれていると聞きました。 私は、どちらかといえば、これまで、ゲームに対してはよいイメージを持っていませんでしたが、この一連の話を聞き、思ったのが、今家の中で引きこもり、ひとりでゲームを楽しむ若者が、このような会場を利用するようになれば、社会に出るきっかけをつかむことができるのではないかと考えるようになりました。 今日、さまざまなゲームが氾濫しています。そして、大人も子供も夢中になる状況があります。この現状に、ある医者は、ゲーム障害になるおそれがあると警鐘を鳴らしています。その心配も十分考えられると思います。 一方で、この拡散しているゲームを世の中からなくすことは簡単ではないと思います。そうであるならば、ルールやコミュニケーション能力を高める健全な環境下でゲームをやるeスポーツは、人が輝く可能性を持ったスポーツになる気もします。 今eスポーツは、アジア大会で正式種目をかち取り、オリンピック種目にも検討される勢いですが、総務省も関心を寄せているようです。昨年3月には、eスポーツ産業に関する調査研究報告書をホームページに掲載しています。 その中の一部に、eスポーツコンテンツを通じた教育プログラムの検討、わかりやすく言いますと、学校の授業の中に組み込むなどの検討や高齢者、障害者向けの生きがい活動への適用検討が資料としてまとめられています。そのほかにも、ビジネスの展開についても調査がなされているようです。 そこで、お尋ねしますが、本県は、eスポーツについて、どのような認識を持たれているのか、また、eスポーツの今後の支援について、何か考えがあれば、お示しいただきたいと思います。 以上、企画振興部長にお尋ねをいたします。  〔企画振興部長山川清徳君登壇〕 ◎企画振興部長(山川清徳君) eスポーツは、エレクトロニック・スポーツを略したもので、議員御紹介の総務省の報告書では、パーソナルコンピューターゲーム、家庭用ゲーム、モバイルゲームを用いて行う競技とされています。 この報告書では、調査の目的を、海外で普及が進んでいて、国内における成長も期待できるeスポーツについて、さらに認知、普及を進めることとしており、実際、国内においても、日本人プロ選手の誕生や部活動でeスポーツに取り組む高校が出てくるなど、新たな広がりも見られています。 その他、大会招致によるインバウンド需要の喚起や教育プログラムへの導入、高齢者や障害者の生きがいづくりへの適用など、さまざまな可能性についても指摘されています。 一方、身体運動を伴う遊戯、競争をスポーツと総称するが、手による操作に限定されるeスポーツをスポーツと定義すべきかとの議論もあるようです。 また、議員御指摘のとおり、ゲームにのめり込むことで、日常生活に支障を来す、いわゆるゲーム障害などの依存症の問題も懸念されているところです。 県としては、eスポーツの展開に留意しつつ、その効果と課題を見きわめながら、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 恐らく今から、だんだんだんだん、このeスポーツという言葉が広がってくると思います。eスポーツですから、よいスポーツかもしれません。ぜひ、このことは、しっかりと注目して検討していく必要があるのかなというふうに思っております。 最後の質問でございます。 環境問題について質問したいと思います。 環境問題については、これまで幾度となく質問してまいりました。今回は、海水や河川の水質汚染について質問をします。 まず、海水の水質汚染について伺いますが、今世界では、毎年800万トンのプラスチックごみが海中に流出しているそうです。これは、ジャンボ機5万機に相当する量だそうですが、このままでは、2050年までに、海中の全ての魚の合計重量よりもプラスチックごみのほうが重くなるとも言われているようです。 また、プラごみは、紫外線や波などの影響を長い年月受け、粉々になり、5ミリ以下のマイクロプラスチックとなって残存し続け、厄介なことに、魚介類が餌と間違えて飲み込むことにより、生態系への悪影響や、その魚介類を人間が食べることによる健康被害への懸念が新しい環境リスクと言われています。 このプラごみの主な発生源は、中国やインドネシア、フィリピンなどアジア諸国ですが、プラごみの1人当たりの消費量が米国に次いで世界第2位の日本は、無関係ではいられません。 このプラごみ問題は、ことし6月に行われた20カ国・地域首脳会議、G20大阪サミットの主要議題ともなり、首脳会議に先立って行われたG20エネルギー・環境関係閣僚会合では、海洋プラごみを減らすための国際的な枠組み創設など盛り込んだ共同声明が採択されています。 本年5月に政府が示した海洋プラスチックごみ対策アクションプランでは、海中に流出したプラごみの回収に当たっては、漁業者が操業時に回収した海洋ごみの持ち帰りを促進するために、自治体が連携して処理を推進することなどが挙げられています。しかし、このプラごみを自治体が引き取る仕組みが設けられていない場合、漁業者が回収する手間がふえるだけでなく、処分までの負担を強いられることになりかねません。状況によっては、再び海に戻すことも考えられます。 こうしたことから、環境省は、漁業者が引き揚げたプラごみを海に戻さず持ち帰る取り組みを始め、自治体が適正に処理できるようにするために、自治体を通じた財政支援の拡充を検討しているようです。また、漁港にごみ置き場を設置し、市町村が定期的に引き取って処理するなどの対策も進めるそうです。既に、岡山、香川両県などでも先行的に進められているようです。 環境省は、6月、都道府県に対して、市町村や漁業者と連携して、ごみ処理の仕組みを検討するよう要請していると聞いています。 そこで、質問の第1点目ですが、本県は、有明海、八代海及び天草灘に面し、水産業の盛んな県でもあります。豊かな海であり続けるためには、環境悪化につながる要因は取り除かなければなりません。 環境悪化の要因は、さまざまあると思いますが、このプラごみの回収のため、本県は、これまでにどのような対応をされてきたのか、また、今回の環境省の要請については、どのような対応をされようとしているのか、お尋ねをします。 次に、生活排水の処理についてお伺いします。 私たちの暮らしを快適に支えている一つに、生活排水処理施設の役割があると思います。公共下水道や集落排水事業など、私たちの暮らしから出る生活雑排水を浄化、処理し、安全な基準で排出する仕組みは、大変ありがたい施設であります。 ただ、全ての地域が公共下水道などで対応ができているわけではなく、地域によっては、浄化槽設備でそのかわりを十二分に補い、環境保全を維持しています。 しかし、問題がないわけではありません。それは、浄化槽の場合、合併浄化槽と単独浄化槽があり、合併浄化槽の場合は、トイレ、お風呂、台所から流れる全てを浄化し、河川等に流すのですが、単独浄化槽の場合は、トイレだけが処理され、あとのお風呂や台所の排水は、そのまま河川に流れ込む仕組みです。これでは、明らかに河川の汚濁、海中への汚染につながりかねません。 そこで、国は、補助金を出し、単独浄化槽から合併浄化槽に切りかえを随分前から推進してきましたが、なかなか進まないようです。聞くところによると、県を初め公共施設でも、単独浄化槽の箇所が随分あると聞いています。 また、この浄化槽は、安全な環境基準を保つ運転をするために、定期的な法定検査が必要とされていますが、これも全ての浄化槽で実施されている現状にはないようです。 そのほかに問題なのが、増加傾向にある空き家で、完全に人が住まない廃屋の場合は、浄化槽を廃止すれば何ら問題がないのですが、たまに家をあける状態の家屋では、電気なども通っており、この場合は、浄化槽も使用可能な状態になり、法定検査が必要ですが、持ち主に、日ごろ使わないから検査は必要ないと誤解され、検査をされない方も多いと聞きます。 いずれにしましても、浄化槽の法定検査は、全ての施設で行われることが望ましく、適正な運転をする浄化槽の設置が河川の浄化、ひいては海中の汚染防止につながります。 そこで、第2点目の質問ですが、県有施設での単独浄化槽から合併浄化槽への切りかえについて、また、県有施設以外の民間事業者や一般家庭等における単独浄化槽から合併浄化槽への切りかえについてお尋ねします。そして、浄化槽の法定検査の状況と今後の対応についてお尋ねをいたします。 以上、質問の第1点目は環境生活部長へ、第2点目の質問は土木部長にお尋ねをいたします。  〔環境生活部長田中義人君登壇〕 ◎環境生活部長(田中義人君) まず、本県の海洋プラスチックごみへの対応についてでございますが、平成18年の豪雨災害による漂着ごみの大量発生を契機に、以後、さまざまな機会を捉え、国に対し、海洋ごみ削減の必要性を強く求めてまいりました。 その後、平成19年から2カ年にわたり、国のモデル事業に参加し、国と共同で、漂着ごみの状況把握や対策の検討にも取り組んでまいりました。さらに、平成21年からは、国の基金や補助事業を活用し、海岸漂着のプラスチックなどの海洋ごみの回収に、沿岸市町等と連携し、継続的に取り組んでおります。 次に、市町村や漁業者と連携したごみ処理に関する環境省の要請への対応についてお答えをいたします。 県では、国の要請に先んじ、平成28年度から、県漁連に委託し、漂流ごみの回収を行っております。また、平成29年度から、浅い海に漂う大型ごみを漁業者が収集し、国の清掃船が回収するという連携を開始し、今年度は、新たに設立された関係機関による連絡会議を活用し、連携強化を図っております。 さらに、6月には、国の要請を踏まえ、関係市町に対し、漁業者が操業時に回収した海洋ごみの処理について検討を依頼し、先月、改めて対応を要請いたしました。 海洋プラスチックの削減につきましては、海域での回収を初め、陸域での発生抑制など、さまざまな団体が連携し、取り組むことが重要であり、引き続き、県がその連携の中心となって取り組んでまいります。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) まず、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への切りかえについてお答えいたします。 県では、合併処理浄化槽への転換を進めるため、これまでも、国の補助金に加え、県独自の補助金を交付しております。 この結果、最近5カ年では、県内の単独処理浄化槽は、約6,000基減少しましたが、最新の統計である平成29年度末時点におきましては、いまだ約5万6,000基が設置されている状況です。 県有施設における単独処理浄化槽は、今年度調査した結果、79基確認されました。このうち、各施設管理者において、建てかえを予定している施設については、合併処理浄化槽へ転換されると聞いております。それ以外の施設につきましては、施設の利用状況や生活排水の排出状況等を詳細に把握し、この結果を踏まえながら、計画的な合併処理浄化槽への転換を働きかけてまいります。 また、県有施設以外の民間事業者や一般家庭等については、引き続き、市町村や関係団体との連携を密にしながら、補助金制度の啓発を行い、合併処理浄化槽への普及に努めてまいります。 また、法定検査の状況と今後の対応についてお答えいたします。 公共用水域の水質保全のために必要とされる浄化槽の水質検査について、本県の受検率は、平成29年度末において約66%です。最近5カ年では、約13ポイント上昇しております。これは、市町村、指定検査機関、関係団体とともに、未受検者に対する啓発や催告等に積極的に取り組んだ結果だと考えております。 しかしながら、検査を受けていない浄化槽もあることから、引き続き、受検率向上のため、市町村等と連携しながら、議員御指摘の空き家の浄化槽も含めた適正な管理に向け、普及啓発にしっかりと取り組んでまいります。 今後も、公共用水域の水質保全や公衆衛生の向上を図るため、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を促進してまいります。  〔城下広作君登壇〕 ◆(城下広作君) 海洋プラスチックごみは、大変最近話題になっております。だけど、今後このままふえ続けると、魚の量よりもプラスチックのほうがふえるとなると、大変ショックな問題でもございます。我々は、なるべくビニール袋を使わないように努力する、結果的に、いろんな形で、海岸にあったらそれを回収するようなことも、我々も、いろんな形で協力していくというのも大事かなというふうに思います。 ちょうど来年4月からレジ袋も有料化になって、このことを抑制するような流れもつくっていますけれども、結果的には、ごみ袋を有料化しても、ごみは全然減らなかったとか、そういう問題もありまして、やっぱり我々の心の中で、いかに環境を大事にするかということが大事かなという感じで、しっかりと海洋船も、そういう連携しながら回収するというのも進められてきましたので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。 それとあわせまして、浄化槽の問題でございますけれども、単独と合併というのがあります。やはり単独であると、どうしても、トイレの水は浄化されても、今、ある意味では、薬剤を使うといいますか、風呂とか台所の部分の洗剤、これがそのまま単独の場合流れてしまう。川から海に流れる。このことは、やっぱり考えなきゃいけない。そういうことで、合併浄化槽というのがあるから、このことを転換する。ましてや、公共施設で、そういう単独の浄化槽がまだ設置されている。これはいち早く、隗より始めよじゃないですけれども、行政の施設からまず単独から合併にかえていく、この模範を示していくことが大変大事になるというふうに思います。 あわせまして、その法定検査とあるんですけれども、なかなか法定検査も100%に近づかない。どうしても、誤解、また、経費の負担、そのことで、なかなか法定検査に協力しない方もいるということでございますので、しっかりと助言等をやっていただければと思います。 これで用意した質問全て終わりました。 きょうは、重複した質問に対しては、大体斜め45度ぐらいから話したんですけれども、ちょっとわかりにくい話もあったかもしれませんけれども、いずれにしましても、御清聴本当にありがとうございました。(拍手) ○議長(井手順雄君) 以上で通告されました代表質問は全部終了いたしました。 これをもって代表質問を終結いたします。 昼食のため、午後1時まで休憩いたします。  午前11時40分休憩    ――――――○――――――  午後1時開議 ○副議長(田代国広君) 休憩前に引き続き会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第2 一般質問 ○副議長(田代国広君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は1人60分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 渕上陽一君。  〔渕上陽一君登壇〕(拍手) ◆(渕上陽一君) 皆さん、こんにちは。山鹿市出身・自由民主党の渕上陽一です。 代表質問も終わり、これから一般質問になりますが、今回、12回目の登壇になります。昼御飯もどこに入ったかわからないぐらい緊張しておりますが、最後まで御清聴いただきますようよろしくお願い申し上げます。 さて、昨日、我が党の前川会長による代表質問に対する答弁の中で、知事より、来年の次期知事選挙出馬に向けた明確な決意が表明されました。 知事におかれましては、初当選以来12年、数々の困難な重大事案に正面から向き合い、常に熊本県のトップリーダーとして先頭を走り続けてこられました。 今後は、まずは何より、熊本の総力を結集して、道半ばの熊本地震からの創造的復興をなし遂げ、加えて、今、我が国、そして熊本県にとって最大かつ最も困難な問題となった超少子化、超高齢化、人口減少、過疎化の進行を何とか食いとめるために、引き続きリーダーシップを発揮していただきますようよろしくお願い申し上げまして、質問に入らせていただきます。 最初に、ひきこもりの長期化・高年齢化対策と就職氷河期世代への支援についてお尋ねいたします。 内閣府は、本年3月29日、昨年末に実施した40歳以上64歳までの中高年ひきこもり者を対象とした、生活状況に関する調査の結果を発表しました。 ひきこもりに関する調査は、従来、15歳から39歳までの若年層だけが対象だったのに対し、今回は初めて中高年層を対象に実施されたもので、その内容が大きな反響を呼びました。 調査結果の主なポイントは、次のとおりです。 40歳から64歳の中高年ひきこもり者数は、推計61万3,000人。男女別では、男性が77%。現在の年齢は、40代が38%、50代が36%、60代が26%。ひきこもりになった年齢は、25歳から29歳が最も多く15%、40歳以下が合計40%、40歳以上が合計60%。ひきこもりの期間は、3年から5年が最も多く21%、6カ月から7年までの合計が53%、7年以上の合計が47%、30年以上のひきこもり者も6%。引きこもったきっかけは、1、仕事をやめた36%、2、人間関係21%、3、病気21%、4、職場になじめなかった19%、5、就職活動がうまくいかなかった4%。 以上の結果から、ひきこもりが長期化、高年齢化していることがはっきりと見てとれますが、それに加えて、私が特に注目したポイントが3点あります。 1点目は、ひきこもり者の人数です。今回、調査に基づく中高年ひきこもり者数61万3,000人は、15歳から39歳の若年ひきこもり者数の推計54万1,000人を上回り、両者を合わせると、合計115万人となります。これは、我が国の15歳から64歳の生産年齢人口約7,520万人の1.53%、65人に1人がひきこもり者ということを意味します。 2点目は、中高年ひきこもり者の4分の3が男性で、引きこもったきっかけとして、仕事をやめた、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかったという、直接仕事にかかわる理由が全体の43%、これに人間関係がうまくいかなかったという理由まで加えると、実に57%に上ります。 3点目は、中高年ひきこもり者の現在の年齢と引きこもり始めた年齢から見えてくる就職氷河期世代との重なりです。 就職氷河期世代とは、1970年から1982年ごろに生まれ、学校卒業期を、バブル崩壊で就職が非常に困難だった1993年から2004年ごろに迎えた人たちを指す言葉であります。 その数は、世代の中心層である35歳から44歳で1,689万人と、生産年齢人口全体の約22%を占めていますが、そのうち正規雇用は54%にすぎず、不本意ながら不安定な仕事についている人や仕事のない状態の人が多数存在します。 一方、中高年ひきこもり者のうち、就職氷河期世代と重なる40代の人は27万人、これに30代後半の同世代対象者を合わせると、中高年ひきこもり者の総数は40万人近くに上るのではとの推計もあります。 このように、中高年ひきこもり者と就職氷河期世代が重なり合うことは、疑問の余地がないところでありましょうが、これによって、今後、個人、社会の両面でさまざまな問題が起きてくることが予測されます。 個人としては、8050問題という用語に象徴される、ひきこもり者自身の高年齢化、親の介護、そして死、老後の備えの貧弱さ等によって、生活が困窮し、貧困に陥るおそれがあります。 国、社会全体では、人口の多い就職氷河期世代の消費支出や納税負担能力が伸び悩む一方で、人口の多いこの世代が貧困に陥った場合、社会保障費の増大を招くことにつながります。加えて、収入が少なく、生活の安定が望めない人が多いこの世代は、結婚、出産の数がほかの世代より少ないため、将来世代の少子化に拍車がかかることが懸念されています。 以上のさまざまな事実と現在の状況よりして、私は、就職氷河期世代の苦難を今日まで放置してきたことが、今後、長期にわたって我が国の社会基盤と経済の安定的運営を阻害することにつながると、大変危惧しております。 このような状況の中、政府は、本年6月に決定した経済財政運営と改革の基本方針2019の中で、就職氷河期世代支援プログラムを打ち出し、所管する厚生労働省は、来年度予算の概算要求に、同プログラムの実施のための653億円を計上いたしました。 その目標は、不本意ながら非正規雇用で働く人、就職希望はあるが、長期にわたって仕事についていない人、ひきこもりの人、合わせて約100万人を対象に、来年度からの3年集中プログラム実施を通じて処遇を改善し、労働や社会参加を促すとともに、正規雇用者を30万人ふやすことが掲げられています。 その一方で、先週末、大変興味深いニュースがありました。兵庫県宝塚市が、就職氷河期世代を対象に、正規事務職員を募集したところ、3人の採用枠に、全国から実に1,816人の応募があったとのことで、この世代の人たちが置かれている厳しい状況と効果的な支援の難しさを痛感させられました。 そこで、2点お尋ねいたします。 1点目は、先ほど申し上げたとおり、就職氷河期世代と中高年のひきこもり者は、相互に重なり合っていることから、双方に対して、しっかりと目を配りながら支援を実行していくことが求められますが、とりわけ、これまで対象者の把握すらほとんどなされていなかった中高年ひきこもり者に対して、いかにして支援の手を届けていかれるのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。 2点目は、就職氷河期世代支援、3年間集中支援プログラムには、都道府県レベルのプラットフォームの形成、活用による取り組みの推進が掲げられており、県が担うべき役割と責任の重大さが見てとれます。 県としては、この重要な役割をどのように受けとめ、取り組んでいかれるのか、来年度からの本プログラムの推進に向けて、基本的な考えと決意を商工観光労働部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) ひきこもりの長期化・高年齢化対策についてお答えします。 県では、ひきこもり地域支援センターを設置し、専任のコーディネーターが、当事者の居場所づくりや家族交流会、出張相談会の開催、各地域の生活困窮者のための自立相談支援窓口などとも連携した地域での相談対応など、ひきこもり状態にある方の社会参加に向けたさまざまな支援に取り組んでいます。 議員御指摘のとおり、中高年の場合、ひきこもり状態が長期化する傾向にあり、8050問題に代表されるような深刻な状況に陥る前に、必要な情報や支援が確実に届くことが重要です。 そのため、当事者やその家族に対して、リーフレットの配付やセミナーの開催などにより相談窓口の周知を図るとともに、ひきこもりに関する啓発を通じて、ひきこもりは自己責任、本人の甘えや親の甘やかしといった偏見や誤解の解消を図り、相談しやすい環境づくりに取り組んでまいります。 また、ひきこもり状態にある方に必要な情報や支援を届けるためには、ひきこもりの実態を把握することが不可欠です。 本人に自覚がない、家庭の事情を知られたくないといったことから、ひきこもりが表面化しにくいケースもありますが、国や一部の都道府県等で既に実施している調査を参考に、早急に調査方法を検討し、県内の中高年を含めた対象者の把握に努めてまいります。 今後とも、中高年を含むひきこもり状態にある方やその家族に対して、しっかりと支援の手が届き、社会参加につながるよう、市町村や関係機関と連携し、実態の把握とともに、相談支援体制の充実や普及啓発に取り組んでまいります。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 就職氷河期世代の支援についてお答えします。 議員御指摘のとおり、ことしの骨太の方針において、就職氷河期世代支援プログラムが盛り込まれ、内閣官房には就職氷河期世代支援推進室が設置されるなど、政府を挙げて取り組む体制が整備されます。 このプログラムの中で、国の取り組みとして、当該世代への支援に社会全体で取り組むため、官民協働によるプラットフォームを都道府県単位で立ち上げることや、専門窓口のハローワークへの設置、正社員化につながる資格取得の支援、雇い入れ企業への助成金の拡充などが具体的に示されました。 本県では、国と連携し、県内3カ所に、地域若者サポートステーション、通称サポステを設置し、15歳から39歳までの無業者、いわゆるニート等への就職支援を行っています。 プログラムでは、その支援対象年齢を49歳まで拡大することなどにより、支援体制を充実するとともに、さきに述べたプラットフォームにおいて、熊本労働局と共同で、施策の具体化のための事業計画を作成し、着実に事業を推進していくことなど、県にも主体的な役割が求められているところです。 当該世代の方々が、活躍の場を広げ、さらに安定的に就労することは、本人やその家族はもちろんのこと、深刻な人材不足の問題を抱える本県においても非常に重要です。 国は、このプログラムを今後3年間で集中的に取り組むこととしており、県においても、国や関係機関等と連携しながら、県の役割を迅速かつ着実に果たすことにより、当該世代の社会的、職業的な自立につながる効果的な支援に努めてまいります。  〔渕上陽一君登壇〕 ◆(渕上陽一君) 御答弁で述べられた支援は、厚生労働省が平成21年度にスタートさせたひきこもり対策推進事業の2本柱とされているものであります。 また、平成27年度に開設された生活困窮者自立支援制度との連携強化を通じ、ひきこもり地域支援センターのバックアップ機能等を強化する取り組みが進められていると承知しています。 この制度のもと、5年前から各市町村に設けられている生活自立相談窓口の現状について、山鹿市に尋ねてみましたところ、ひきこもりに関する相談は、5年間で延べ9件だったとのことでした。このことを、たった9件と言うのか、9件もあったと言うべきなのか、私は正直わかりません。 なぜならば、中高年のひきこもり者への支援を推進しようにも、その前提となる対象者の人数、状況等の把握がほとんどなされていないからであります。これこそが、今後本事業を推進していく上で、最大の障害になることは間違いありません。 つきましては、御答弁があったとおり、効果的な調査手法について、関連するさまざまな関係先からも知恵を出していただいて、まずは人数と実態の把握に万全を期していただきますようお願いを申し上げます。 また、就職氷河期世代につきましても、私の身近にも、たまたま就職氷河期に世に出たというだけで、ずっと苦しい生活を余儀なくされたり、人生に失望して引きこもってしまっている後輩たちが存在します。 我が国においては、今やあらゆる職場で働き手不足が進行しつつある一方、希望する仕事につけずにいる人が、就職氷河期世代だけで約100万人も存在するという異常な現実は、何としても是正されなければなりません。さもなければ、この100万人の人々は、結婚、出産、子育てを初め、本来ごく普通の目標だったはずの希望を持って人生設計を描くことすら困難で、ましてや、今話題の老後の生活設計のことなど、恐ろしくて想像もしたくないという最悪の状況に、ますますもって追い込まれていくに違いありません。 熊本県においても、就職氷河期世代の採用について、県のリーダーシップにより、官民広く知恵を出し合って、宝塚市のような対応をとっていただくことができないものか、ぜひともとっていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 次に、学校における働き方改革についてお尋ねいたします。 働き方改革は、日本の長年の企業文化、日本人のライフスタイルや働くということに対する考え方そのものの改革であり、官民問わず、日本全体の大きな課題として、マスコミ等に連日取り上げられています。 中でも、学校現場において、働き方改革を実現し、先生方が子供たちと向き合う時間を最大限に確保することは、いじめや不登校、さまざまな問題行動など、あらゆる課題の未然防止につながるものと、私は信じております。 私は、平成26年2月議会において、山鹿中学校における会議や研修の削減、年間行事や指導の手引の配付など具体的例を挙げて、教職員の多忙感解消の必要性とその効果について、説明の上、質問をいたしました。その質問に対し、教育長より、山鹿市での優良事例を県内の各学校に普及させてまいりますとの答弁をいただきました。 その後の状況をお伺いすると、会議や研修の削減に取り組んでいる学校は、県全体で約8割、行事の企画・運営マニュアルを作成している学校は、県全体の約半数以上とのことでありました。 また、学校現場では、小学校運動部活動の社会体育移行や学校閉庁日の導入、そのほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員といった外部の人材の活用など、働き方改革の取り組みは、着実に進んでいると感じます。 一方で、学校現場を回って先生方の状況を伺ってみると、研修や会議、文書処理といった、本来の授業準備や教材研究以外の業務に負担を感じるといった声が依然として聞こえてまいります。 学校における働き方改革は、国を挙げての課題であり、文部科学省は、取り組みの一環として、本年1月、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定しました。 ガイドラインでは、児童生徒にかかわる臨時的な特別な場合を除いて、1カ月の超過勤務は45時間以内とすることが示され、1年間の超過勤務は360時間以内という上限の目安が設定されております。 しかしながら、先日、本県の県立高校5校の教職員365人の昨年度の勤務状況について調査した結果、約7割が、1年間の上限の目安である360時間を超えて時間外勤務を行っている旨の報道がありました。 こうした状況を見ますと、先生方の負担を軽減し、子供たちとしっかりと向き合うことができるようにするためには、今まで以上に県教育委員会がリーダーシップを発揮し、さらなる取り組みの推進が必要ではないのでしょうか。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 取り組むべき事項としては、支援を要する生徒たちへの対応、部活動、調査等の文書処理など、さまざまあると思いますが、本県の学校における働き方改革の取り組みについて、今後どのように進めていかれるのか、教育長にお尋ねいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 教職員が、子供たちと向き合う時間を確保し、やりがいを持って仕事ができる環境づくりに向けて、働き方改革は急務であると考えます。 長時間勤務は、教職員の心身の健康に影響を与えるだけではなく、子供たちへの教育にも大きな影響を及ぼすものであり、私自身、強い危機感を持っております。 県教育委員会では、これまで、小学校運動部活動の社会体育への移行、運動部活動の指針の策定、学校閉庁日の設定、校務支援システム等のICT化の推進、スクールカウンセラーや部活動指導員といった外部人材の活用など、学校現場の負担軽減に取り組んでまいりました。 働き方改革を効果的に進めるためには、何よりも教職員の意識改革が不可欠であります。そのため、タイムレコーダーの導入、学校マネジメントや労働安全衛生といった研修のほか、各種会議などあらゆる機会を通じて、勤務時間を意識した働き方の推進を図っているところであります。 今年度は、新たに、次の5点に取り組んでまいります。 第1点目に、教職員の勤務時間データを収集し、勤務実態のさらなる分析を行い、今後の対策につなげてまいります。 2点目に、高校の文化部活動指針を策定し、活動日や活動時間を明確にして、その徹底を図ってまいります。 3点目に、学校へ依頼する調査、会議などの厳選や簡素化について、県庁内に加えて、体育や文化活動などを行う各種団体にも協力を要請いたしました。 4点目に、業務改善に実績のある経営コンサルタントなどをアドバイザーとして、小中高校のモデル校6校に派遣し、働き方改革の取り組みを支援するとともに、他の学校にも波及させることとしております。 最後、5点目に、働き方改革検討委員会を本年6月に設置し、学識経験者、校長会やPTAの代表の方々から、働き方改革につながる取り組み事例などの具体的な御意見をいただいているところであります。 今後、働き方改革につきましては、検討委員会からの意見を踏まえ、できるだけ早い時期に県の基本方針を策定することとしております。引き続き、市町村教育委員会、さらには地域や保護者など関係者と連携しながら、より実効性のある取り組みを、リーダーシップを発揮して進めてまいります。  〔渕上陽一君登壇〕 ◆(渕上陽一君) 学校現場における働き方改革は、待ったなしの状況であります。 私は、初めに申し上げましたとおり、学校現場においては、何はさておき、まず先生方が子供たちと向き合う時間を最大限に確保することが、あらゆる課題の未然防止や迅速な対応、解決につながる大前提であると信じております。 加えて、長時間勤務は、先生方の心身の健康に悪影響を及ぼし、さらには、最近のニュースで、公立小中学校教職員の志望者が減って、競争率が下がり続けていることが報じられたように、採用にも悪影響を及ぼすことが危惧されます。 つきましては、いま一度、教職員の勤務実態をしっかりと把握され、働き方改革に全力で取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。 3点目は、中山間地域の振興についてお尋ねいたします。 本件は、県議会においてたびたび取り上げられてきた重要な案件であり、私も、4年前、人口減少から波及するさまざまな問題の一つとして、中山間地域を初めとする条件不利地域における人・農地プランの推進と土地利用のあり方について質問いたしました。 人・農地プランは、農業従事者の高齢化、後継者の不足、耕作放棄地の増加など、人と農地の問題が深刻化し、5年後、10年後の農業の展望が描けない地域がふえる中で、地域が抱える人と農地の問題を解決していくためには、今後中心となる経営体、個人、法人、集落営農はどこか、中心となる経営体へどうやって農地を集めるか、中心となる経営体とそれ以外の農業者を含めた地域農業のあり方について、地域で話し合ってプランをつくり、実行していこうというものであります。 その意味で、人・農地プランは、地域の農業、農村を将来に引き継いでいくための未来への設計図であり、平たん地と中山間地域とを問わず、今後実際に農地を集積していく際の真の意味での設計図となるように、しっかりと取り組み、検証し、見直しを行っていかなければなりません。 さて、熊本県においては、中山間地域が県土全体の7割、農用地全体の4割を占めていることから、田畑の面積が狭く、大型農業機械が使いづらいために、コスト削減もままならない状況にあります。 加えて、産地間競争の激化に加え、日米貿易交渉、TPP11、日・EU・EPAなどにより、グローバル化による影響も大きく受けるのではと憂慮されております。さらに、ふえ続ける鹿、イノシシ、猿など、深刻な鳥獣被害への対応も急がれます。 こうした状況にあって、平成12年度から実施されている中山間地域等直接支払制度は、平成27年度から施行された農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律に基づいて、農村が果たしている多面的機能を確保するため、中山間地域の耕作放棄地を防止し、耕作条件が不利な農用地の維持管理や農業生産活動を継続的に行う協定集落に対して、面積に応じて一定額の交付金が支払われる制度の実施が進められています。 我が国が人口減少社会への対応を迫られる中、多くの中山間地域では、高齢化や人口流出に伴って活力が低下しており、農業を支える担い手の確保も厳しさを増しております。 こうした地域では、限界集落を超え、消滅といった表現も出ているほど、中山間地域を支える人材の確保が難しい状況になりつつあり、農業のみならず、地域自体を誰がどのようにして守っていくのかという深刻な課題に直面している地域もふえ続けております。 そのような中、私の地元山鹿には、生産条件が不利な中山間地域でも、有機農業でしっかりと顧客をつかんで所得を確保したり、観光産業との複合経営を通じて交流人口をふやしていることで、稼げる中山間地域を実現している方々もおられ、そこにはしっかりと後継者が育っておられます。 また、別の地域では、農業者の高齢化が進む中、地域の農地を守り、農業を継続していくために、地域のリーダー的な方々が、農業に必要な機械や設備を準備した上で、土地利用型農業の担い手となる若者をみずから確保し、集落全体でその担い手を守り立てていこうという動きを進められているところも出てきています。 このように、中山間地域の中に担い手や地域を動かすリーダーの存在があることが理想的でありましょうが、それを実現できているところは非常に少ないという厳しい現実の中で、中山間地域の活力を維持していくためには、地域や集落内の住民に加えて、地域外、集落外の人たちにも加わってもらい、地域の活動や存在を支えてもらう人材を確保する方策はないものかと考え続けております。 中山間地域が健全な姿で生き残っていくためには、そこに住んでおられる方々が、みずから夢を描き、それを実現していく体制を整えることが最も重要であることは申すまでもありません。 そのためには、広域本部を初め、振興局や各市町村、また、地域JAや森林組合を初めとする農林業団体や各種業界団体の協力を得て、官、民、団体、個人を問わず、また、農業の分野のみならず、中山間地域にある森林、自然、環境、景観、さらには文化、伝統など、地域資源を余すところなく活用することを通じて、資源を所得に結びつけ、地域の価値を上げるために、さまざまな知恵の掘り起こしと活用を広げていくことがいよいよ急務ではないかと、今強く感じているところであります。 中山間地域の振興には、地域の魅力を稼げる仕組みにするための知恵と、それを動かす人が重要だと思いますが、県では、地域の知恵を導き出し、それを広めていくためにどのような取り組みを進められているのか、また、地域を支える人材をいかにして確保していこうとされるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 中山間地域の振興には、議員御指摘のとおり、地域の魅力を稼げる仕組みにするための知恵と、それをみずから動かし、リードする人材の育成確保が何より必要不可欠であると認識しております。 まず、地域の知恵を導き出し、広めるための取り組みについてお答えします。 地域が有する資源はさまざまであり、所得につなげるアプローチも多様であります。そして、地域の方々が、独自の資源や魅力に気づき、それを生かす方法やストーリーを描く過程の中で、所得の確保につながる知恵が生まれてくるものと考えています。 県では、平成25年度から、くまもと里モンプロジェクトにより、中山間地域の振興につながる芽吹きをたくさん育んできました。そして、そうした芽吹きを地域の大きな知恵に育て上げるため、平成29年度から中山間農業モデル地区支援事業を展開しています。 この事業では、モデル地区において、農業者だけでなく、地域住民も参画し、地域の強みや資源について何度も話し合いながら、地域の方々が合意した知恵を導き出すための支援を行っております。 また、その過程では、県内の大学の先生や学生に直接地域に入っていただき、課題の抽出や具体的な提言により住民間の議論をサポートしたり、さらには、モニターツアーを実施し、参加者からの意見やアンケートをもとに、取り組み内容の検証も行っております。 具体的な事例を紹介しますと、八代市坂本町の鶴喰地区では、このようなプロセスを経た結果、まず、米づくりに適した土壌と農家のこだわりのある栽培方法を売りに「鶴喰米」と名づけてブランド化し、産地の顔が見える販売を展開されています。また、地域の強みである冷涼な気候を生かしたアスパラガスの導入を決断し、新たな雇用につながっています。さらに、女性やお年寄りまで、誰もが活躍できるよう、地元でとれる野菜を漬物に加工したり、地元食材を使ったメニューを開発し、農家レストランにも取り組まれるなど、多彩な知恵が生み出されております。 今後は、このような成功事例をパンフレットや動画として見える化し、他の中山間地域へ波及してまいります。 次に、地域を支える人材の確保についてお答えします。 地元の方はもちろん、Uターンや新規に移住された方など、多くの方にリーダーとなる潜在的な可能性があると考えています。 そのような方々が一人でも多く地域のリーダーになっていただくため、県では、地域のコミュニティーづくりから6次産業化や農泊などのビジネス化まで、幅広く学ぶことができる熊本むらづくり人材育成塾を平成26年度から実施し、これまでに約300名の地域リーダーを育成しております。 また、平成22年度からスタートしたくまもと農業経営塾では、本県農業のトップとなる経営者を目指し、毎年約20名の方が学んでおり、ここでも中山間地域のリーダーとなる人材が輩出されています。 さらに、議員御紹介の人・農地プランにおいては、今後、プランの実質化を進めることとされております。地域でのしっかりとした話し合いをもとに、将来の地域農業の担い手を明確にすることで、地域のリーダーの確保につながるものと期待しております。 加えて、中山間地域には、市町村やJA、森林組合など、地域を支える方々がたくさんおられます。 県としましては、これまで以上にこれらの方々との連携を強化し、より多くの参画により中山間地域の魅力が増し、地域の方々が誇りを持って住み続けることができるよう、全力で取り組んでまいります。  〔渕上陽一君登壇〕 ◆(渕上陽一君) 先月、全国みかん生産県議会議員対策協議会出席のため愛媛県を訪れた際、西日本豪雨で甚大な被害を受けた宇和島を視察し、果樹園の被害状況や復旧方法を初め、詳細な説明を伺いました。 被災地のミカン園は、海からすぐに立ち上がった、角度30度を超える急傾斜地にあり、まさしく典型的な中山間地の一つであります。 被災から1年が経過した現在、ミカンを運搬するモノレールやスプリンクラーの復旧が進められておりましたが、被害が特に大きかった地域では、新たに植えたミカンが育ち、利益を生み出すまでには、あと10年程度かかるとのことでした。 愛媛県知事並びに愛媛県議会の皆さんとの意見交換の席上で、知事から、被災後は、農業どころか、集落の住民がほかに移転されるのではと大変心配したが、ふるさと宇和島の5年、10年、20年後の将来について何度も何度も話し合いをする中で、最後には、20代から30代の若手が中心となって、農作業を受託する株式会社までできたという話を伺って、大変驚きました。 聞けば、宇和島は、もともと豊かな農業地域であり、しっかりとした農業所得のベースがあったからこそ、再編を含む復旧対策の実行に踏み切ることができたとのことでありました。 この宇和島の例が示すように、私は、中山間地域のよって立つ柱は、何といいましても農業であると思います。モデル事業をしっかりと検証し、もうかる中山間地域をつくっていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 4点目は、県立こころの医療センターについてであります。 私、先日、6年ぶりに、県立こころの医療センターをお訪ねいたしました。今回の訪問は、監査業務が目的でありましたが、あわせて、職員の皆さんから、民間精神科病院では受け入れの難しい患者さん方の治療や昨今の人手不足の中での医療スタッフ確保の難しさなど、現場での御努力や御苦労について話を伺うことができました。 同時に、そのような中で、病院経営の効率化にも積極的に取り組み、国の基準の範囲で一般会計からの繰り出しを受けながら、ここ数年黒字を確保していることなど、病院挙げての経営努力についても伺いました。 さて、現在、こころの医療センターでは、平成30年度から6カ年の第3次中期経営計画に基づき、さまざまな取り組みを進めておられるとのことであります。 その中に、県立の精神科医療機関として従来から取り組んでこられた、民間精神科病院では受け入れの難しい患者さん方の治療、つまりセーフティーネットとしての役割に加えて、子供たちの心の問題に取り組む児童・思春期医療、患者の方々の地域生活支援、地域への貢献などにも力を入れていくことが目標として掲げられています。 そこで、今回は、これらの取り組みに関して、大きく3点お尋ねいたします。 まずお尋ねするのは、児童・思春期医療についてです。 第3次中期経営計画及び業務状況関係の資料によりますと、児童・思春期外来を開設された平成24年度から平成30年度までの7年間で、児童・思春期の外来患者数は、初年度延べ224人から、昨年度は約9倍の1,993人へと大幅にふえているとのことであります。また、平成30年2月から本格稼働した児童・思春期専用病床は、1日平均6.6人の利用を得ているとのことです。 こうした実績を見ますと、不登校、虐待を初め、子供の心を取り巻く問題が深刻化し、大きな社会問題として関心を集める中で、児童・思春期における医療ニーズがいよいよ高まっていることが実感できます。 その一方で、この分野は、専門医が慢性的に不足している状況にあり、医師の確保は喫緊の課題であるとも伺いました。 そこで、今後社会的要請がますます大きくなると予想されている児童・思春期医療を充実させていくには、どのような課題があるのか、また、それに対して、どのような対応、対策を講じていかれるのか、お尋ねいたします。 次は、患者さん方の地域生活支援、いわゆるアウトリーチ支援事業についてです。 厚生労働省が、精神保健医療福祉の入院医療中心から地域生活中心へという基本理念の具現化を目指して、精神障害者アウトリーチ推進事業を積極的に推進していることは承知しております。 こころの医療センターにおいても、平成26年度から30年度までの5年間で訪問支援を行った件数が、初年度の延べ427件から、昨年度は延べ1,599件へと3.7倍に増加しており、地域で生活していくための支援を必要としている患者さんが数多くおられることが理解できます。 また、私、最近、アウトリーチ支援に積極的に取り組んでおられる民間精神科病院の関係者に話を伺いました。支援担当者が直面されている課題を伺いましたが、こころの医療センターにおいても、同様の状況があるのではないかと思いますので、4点お尋ねさせていただきます。 1点目は、こころの医療センターの患者さん方の中には、症状が重く、地域で生活していくことが難しい方もいらっしゃると思いますが、そのような患者さんに対して、どのような地域生活支援をされているのか。 2点目は、こころの医療センターは、その性格上、県内各地からの患者さんが利用されていると思いますが、訪問支援の対象とする地域をどのように決めておられるのか。 3点目は、お話を伺った民間病院では、ひきこもりの方や受診を拒否する方々へのアウトリーチにも取り組んでいるとのことでしたが、こころの医療センターにおいても、同様の取り組みを行っておられるのか。 4点目は、精神科病院が地域生活支援を実施するに当たっては、医療の枠にとどまらず、地域市町村の福祉サービスとの連携が必要なケースが多々出てくるとのことですが、こころの医療センターでは、こうした機関との連携をどのように行っておられるのか。 以上をお尋ねいたします。 最後は、こころの医療センターにおける地域貢献についてです。 この点について、第3次中期経営計画では「精神科医療を支える人材の教育・研修の推進やDPATの派遣を含む精神科災害医療への対応等、地域に貢献できる病院を目指す。」とされています。実際、先日お伺いした際、看護専門学校等への講師派遣や実習生の受け入れにも積極的に取り組んでおられると伺いました。 私も、県立の病院であるこころの医療センターは、患者の方々の治療のほかにも、県内の精神科医療の向上のために、一定の役割を担うべきであると考えます。 そこで、こころの医療センターでは、これまでに蓄積してこられた技術やノウハウをどのように地域に還元していかれるのか、病院事業管理者にお尋ねいたします。  〔病院事業管理者吉田勝也君登壇〕 ◎病院事業管理者(吉田勝也君) まず、児童・思春期医療についてお答えいたします。 こころの医療センターでは、平成24年4月にこころの思春期外来を、平成30年2月には専用病床を開設して、児童・思春期医療に積極的に取り組んでおります。 児童・思春期の患者の方々は、成人患者と比べて、症状の聞き取りが難しいこと、また、成長段階にあるため、病気なのか、本人の個性なのかが見きわめにくいこと、こうしたことから、児童精神科専門の医師でないと診断が難しい面がございます。しかし、全国的に専門医の数が少ないのが現状であり、センターにおきましても、その確保が切実な課題となっております。 このため、従来から医師の派遣に協力をいただいております熊本大学と一層の連携を図りながら、児童・思春期の医療ニーズに的確に対応できるよう、専門医の維持、確保に努めてまいります。あわせまして、外来から入院までの一貫した治療の中で得られる専門知識と経験の蓄積を図り、在籍する医師や医療スタッフの専門性を高め、このことによって、診療体制の充実を図ってまいります。 また、児童・思春期医療では、個々の家庭環境に応じて、保護者や関係機関と綿密な連絡調整を行っていくことが、もう一つの課題であると考えております。 このため、保護者の治療への正しい理解が得られるよう努めますとともに、入院期間中の訪問教育に係る学校との調整や退院後の援助方針に係る児童相談所との協議など、きめ細かな対応に努め、患者の方々の早期の学校生活や社会への復帰を支援してまいります。 次に、地域生活支援についてお答えいたします。 1点目の支援の内容についてですが、患者の中には、症状が重い方や、入院が長期間に及び、社会で生活していくノウハウを持たない方がいらっしゃいます。また、家族と疎遠になり、その支援が期待できないケースもございます。 このため、患者の状態に応じた支援計画を作成し、さまざまな職種のスタッフが連携し、訪問看護、就労支援、住居確保支援、食生活等の日常生活支援、金銭管理等の社会生活支援などを総合的に行うことにより、地域での生活を支えております。 2点目の対象地域につきましては、頻繁な訪問支援が必要であり、緊急時の対応も想定されますことから、30分程度で到着できる範囲を対象として、患者の方々が安心して地域で過ごせるよう配慮しております。 3点目のひきこもりの方などへの対応についてです。 現在、地域生活支援を始めるに際して、支援を受ける意思の確認を行っておりますが、統合失調症の症状が悪化すると、親にすら会おうとしないひきこもりの状態になったり、受診拒否の状態に陥ることがございます。そういった場合でも、支援活動の中で築いた信頼関係に基づき、目標を掲げて本人の意欲を引き出したり、受診の説得を行うなど、意思を尊重しながら、根気強く支援しております。 4点目の福祉との連携につきましては、外出支援や就労支援など、市町村の障害福祉サービスとの連携を図りながら、包括的に支援していくことが重要と考えております。 そのため、本人の希望や生活環境をもとに、必要な福祉サービスの内容を検討し、その上で必要な調整を行うなど、市町村と一体となって取り組んでおります。 こうした訪問支援活動を続ける中で、20年近く入院されていた方が、地域の福祉作業所に通いながら、共同住居で生活される事例が出てくるなど、一定の成果があらわれております。 最後に、地域貢献についてお答えいたします。 地域に貢献できる病院を目指して、地域の人材育成や精神保健活動への協力、支援に努めております。 具体的には、医師や看護師を看護専門学校等に講師として派遣し、実習の受け入れも積極的に行っております。平成30年度は、看護の専門学校5校に5人の職員を派遣する一方、看護や作業療法の専門学校等17校から180人の実習生を受け入れました。また、院内でのアルコール依存症の患者向け断酒会には、臨床実習の一環として、熊本大学の医学部生が参加しております。 あわせまして、患者からの暴力を回避し、患者自身を安全に保護するための先駆的な対処方法とされる包括的暴力防止プログラムといったものの積極的な習得を図りますとともに、在籍する4人のインストラクターを活用して、県内医療機関向けの研修会を開催してございます。 さらに、災害医療におきましても、熊本DPATへの職員派遣や被災病院からの患者の受け入れ、地域の一時避難場所としての施設開放など、地域貢献に努めております。 引き続き、センターの人材とノウハウを活用し、地域に貢献できる病院づくりに努めてまいります。 今後とも、安定した経営基盤の確立に努めますとともに、県内精神科医療のセーフティーネットや政策的、先導的な精神科医療活動に取り組み、県立病院としての使命と役割をしっかりと果たしてまいります。  〔渕上陽一君登壇〕 ◆(渕上陽一君) 本県唯一の県立精神科医療機関として、県内精神科医療の中核的機能を有する病院の使命と役割をこれからもしっかりと果たしていかれますよう、よろしくお願いいたします。 最後に、菊池川流域日本遺産の今後の取り組みについて質問いたします。 私の地元山鹿市を含む菊池川流域は、日本有数の米どころであり、この地域で育まれる米は、全国的に高い評価を受けております。 また、すぐれた農業土木技術により、300年以上前に整備された井手が今も現役で棚田を潤し、地域には、豊作を祈るさまざまな祭りや風習など、豊かな文化が受け継がれるなど、米づくりを支えてきた先人の営みが大地の記憶として残るすばらしい地域です。 こうして、平成29年4月、このような歴史や文化が評価され、「二千年にわたる米作り」をテーマに日本遺産に認定されました。 以来2年半、流域の3市1町、玉名市、山鹿市、菊池市、和水町と、観光農業、文化財の各分野の民間団体で構成された菊池川流域日本遺産協議会が、国の補助事業を活用し、菊池川流域ならではの魅力を国内外に広く発信するとともに、日本遺産ガイドの育成や旅行商品造成につながる取り組みなどを行ってきました。 さらに、今年度は、菊池川流域日本遺産のコンセプトを「菊池川・ミネラルウォーターランド」と定め、菊池川のミネラルが育んだ質の高い食材の活用を通じて、おいしい地域ブランドのPRに取り組んでいます。 しかしながら、認定から3年目を迎え、文化庁の補助事業も今年度で一旦区切りとなることもあり、新たな視点による魅力づくりなど、今後の取り組みが課題となっています。 そのため、日本遺産のブランド力を生かして、菊池川流域の市町や地域団体が一体となって、流域活性化の取り組みをさらに推進していけるよう、県にもぜひ支援をお願いしたいと思っております。 菊池川流域日本遺産の魅力あふれる有形、無形のさまざまな歴史や文化を活用した地域活性化について、県としてはどのような支援が可能か、企画振興部長にお尋ねいたします。  〔企画振興部長山川清徳君登壇〕 ◎企画振興部長(山川清徳君) 県では、文化庁の補助事業を活用したモニターツアーの実施やホームページの多言語化に加え、地域づくり夢チャレンジ推進事業により、関連施設をめぐるスタンプラリー、SNSを活用した食の魅力発信などの取り組みに対する支援を行っているところです。 さらに、今年度は、国際スポーツ大会の開催に合わせて多言語リーフレットを製作し、国内外から熊本を訪れる皆様に広く日本遺産をPRすることとしております。 議員御指摘のとおり、日本遺産認定から3年目を迎え、文化庁の補助事業が今年度で一旦の区切りとなりますけれども、引き続き、県としては、広域的な取り組みを支援するスクラムチャレンジ推進事業を活用し、菊池川流域の自治体が一体となって取り組む日本遺産のストーリーを生かした魅力づくりを積極的に後押ししてまいります。  〔渕上陽一君登壇〕 ◆(渕上陽一君) 菊池川流域の日本遺産は、人吉・球磨における国宝青井阿蘇神社のような明確なシンボルではなく、米づくりというストーリーが認定対象であることから、関係する担当者の皆さんは、アピールのしづらさを感じておられます。 今後、菊池川流域においても、スクラムチャレンジ推進事業を活用して、流域市町村の取り組みを支援していくとのことであり、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。 また、県北広域本部の皆様にも、しっかりと支えていただくことを心からお願い申し上げ、これにて準備いたしました質問を終わります。 最後まで御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(田代国広君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明11日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第4号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時散会...